下弦の月
月の満ち欠けと地形
真夜中に東から昇って、朝の空に残る半月です。暦計算室の表では下弦は夜に出て朝に南中し昼に入るので、夜更かしか早起きのどちらかでしか出会えません。
いつ、どちらの空に出るか
暦計算室「暦Wiki 月の出入りと南中/月の出入りと満ち欠け」の表では、下弦は夜に出て、朝に南中し、昼に入ります。昇ってくるのは日付が変わるころで、南の空で高くなるのは夜明けごろです。宵の空をいくら探しても見つからず、寝る前だけ空を見る習慣では一度も出会えません。出会うなら、夜明け前に東から南の空を見るか、明るくなってから南に残った白い月を探すことになります。
肉眼でどこまで見えるか
半月の形は上弦の月と同じで、光る側が左右で入れ替わります。夜が明けても沈まずに残るため、朝の青空に白い半月として浮かんでいるのを見つけられます。暦計算室「暦Wiki 月の満ち欠け/いろいろな月たち」は、こうした月を有明月と呼びます。昼が近づくほど空との明暗差が縮み、輪郭は薄れます。
双眼鏡で何が増えるか
双眼鏡では、上弦のときと逆の側に影が伸びます。同じクレーターでも光の当たる向きが反対になるので、見慣れた地形が別物のように映ります。境目そのものの見え方は月の欠け際にまとめました。空が白みはじめる前の一時間ほどが、いちばん階調の残る時間帯です。空が白みはじめると背景との明暗差が縮み、影の濃さから先に失われます。同じ晩でも、南へ高く上がってからのほうが揺らぎが小さく、縁の粒立ちが残ります。
ほかの星との見分けかた
軸になるのは形ではなく、輝いている側が太陽のある方向を向くことです。暦計算室「暦Wiki 月の満ち欠け/明縁方向」の考え方に沿えば、明け方の南で左側が光っていれば下弦になります。同じ形を夕方の南で見たのなら、それは上弦です。時間帯まで確かめると、取り違えはほぼ避けられます。太陽がまだ地平線の下にあっても、光る側を延ばした先が日の出の方角になります。
よくある勘違い
「弦が下を向くから下弦」という説明は、ひとつの説にすぎません。暦計算室「暦Wiki 月の満ち欠け/いろいろな月たち」は、沈むときの弦の向きによるという見方と、陰暦で下旬の弦月という見方の両方を並べています。定義そのものは太陽と月の黄経差が270度になる瞬間です。空に出ているあいだの弦の向きは一定でなく、三日月にあるとおり季節や時刻で傾きます。向きだけでは決まりません。