三日月

月の満ち欠けと地形

日の入り後、西の低い空にだけ出る細い月です。国立天文台暦計算室の表では朔は朝に出て夕に入るため、朔から二日ほど過ぎた月は日没後まもなく地平線へ向かいます。

いつ、どちらの空に出るか

見られるのは日の入り後の西の低い空に限られます。暦計算室「暦Wiki 月の出入りと南中/月の出入りと満ち欠け」の表では、朔は朝に出て昼に南中し夕に入るとされ、月の南中時刻は毎日およそ50分ずつ遅れます。朔から二日ほど過ぎた月は、日没の時点でまだ西に残り、そこから一、二時間で沈みます。西の空が建物や山でふさがれていると、出ている時間帯ごと失います。

肉眼でどこまで見えるか

肉眼に写るのは光っている側の細い弧だけです。同じ細さでも向きは季節で変わり、暦計算室「暦Wiki 月の満ち欠け/明縁方向」によれば、夕方18時ごろの三日月は春には横に倒れ、秋には縦に立ちます。黄道の傾きが季節で変わるためです。暗い側がぼんやり光る話は地球照に渡します。薄明が濃いうちは、細い弧ごと背景に埋もれます。

双眼鏡で何が増えるか

双眼鏡を向けると、明暗の境目に並ぶ凹凸が増えます。細い月は光の量が小さくまぶしさが出ないので、月の欠け際に沿ったクレーターの縁を、影とセットで粒のように拾えます。低い空では像が揺れるため、手すりや柵に肘を預けて視野を止めます。地平線に近いほど大気減光が効き、輪郭は甘くなります。沈むまでの時間が短いので、空が暗くなりきるのを待つより、まだ薄明の残るうちに西へ向けたほうが高度をかせげます。

ほかの星との見分けかた

夕方の西の低空には金星も出ますが、面として広がって見えるのは月で、金星はどれだけ明るくても点のままです。色でも分かれ、月は白か黄みを帯びた白、金星は青白い光です。動きの速さも別で、公転周期27.3日から計算すると月は星の中を一日およそ13度東へ移ります。低空の飛行機の灯りとは、動きを追わないと紛れます。

よくある勘違い

「新月」は見えない月で、三日月と同じものではありません。暦計算室「暦Wiki 月の満ち欠け/いろいろな月たち」は、朔の瞬間には暗い側が地球を向くため基本的に見えないと書き、三日月はもとは陰暦3日の月だと説明しています。日常語では、実際よりずっと太い月まで三日月形と呼ばれます。朔から二日ほど過ぎた月が細く見えはじめるため、目にとまる細い月と陰暦の三日目とはずれることがあります。