いて座

夏の星座

見え方: 肉眼で見える

射手の姿を探すより、ひしゃくで見るほうが早く見つかります。南斗六星と呼ばれる6星に西の注ぎ口を足すと、ティーポットの形になります。

形のたどりかた

南斗六星から入ります。さそり座の尾の東に、6つの星が小さなひしゃくの形に並ぶ一角があり、これが射手の弓と矢にあたります。西へ続く星まで含めると横から見たティーポットになり、注ぎ口が西、取っ手が東を向きます。さそり座の尾から東へ視線を移し、ひしゃくを先に決めてから外側へ広げると形が定まります。人馬の姿を追うと星が多すぎて迷います。

目じるしになる星

注ぎ口の先にあるε星カウス・アウストラリス(約1.8等)が最も明るく、取っ手側のσ星ヌンキ(約2.1等)と対になります。この2星を結ぶ線がポットの上辺です。ε星の赤緯はマイナス34.4度で、東京の南中高度は約20度、σ星は約28度になります。2等星の集まりなので、街ではさそり座のアンタレスから東へ移るほうが早く届きます。低い空では星の色が黄色く沈みます。

見ごろの時期と南中高度

位置の目安として国立天文台が挙げるのは9月上旬の20時南中ですが、日本で夏の星座として扱われるのは、7月から8月の宵にすでに南東から南の空へ出ているためです。薄明が終わるころに東の空へ上がり、真夜中前に南中します。南中高度は東京(北緯35.7度)でポットの上辺が20度台、那覇では30度前後です。秋に入ると、宵のうちに西へ傾いていきます。

どこまで見えるか(緯度と空の明るさ)

市街地の光が最も強い高度に、この星座がそのまま重なります。街の明かりは空へ散り、地平線に近いほど明るい層を作るため(光害)、高度20度前後がいちばん白く沈む帯になります。ポットの底は東京で高度20度を切るので、都市部では底が消えてひしゃくだけが残ります。南に街を背負わない向きを選ぶと、同じ夜でも夜空の明るさが一段変わります。

この中にある見どころ

双眼鏡を向けるだけで、視野が星で埋まります。この方向が天の川銀河の中心にあたるためで、星団も星雲も密集しています。ポットのふたの北に干潟星雲(約6.0等)が細長いしみとして見え、その北にオメガ星雲が続きます。いて座M22は約5.1等の球状星団で、双眼鏡では丸くふくらんだ光の塊に見えます。赤い色は写真の側で、目には灰色に映ります。