高層雲

十種雲形

高さ: 中層(2〜7km)

太陽が、すりガラスの向こうにあるようににじみます。気象庁『気象観測の手引き』が薄い部分での見え方をそう書く、全天をおおうことの多い中層の層状の雲です。

どう見えるか

核になるのは太陽の見え方です。気象庁『気象観測の手引き』は「この雲の薄い部分ではちょうど、すりガラスを通して見るようにぼんやりと太陽の存在が判る」と書いています。輪郭のはっきりしない丸い明るみが雲の向こうに浮き、地面に影ができないのが常です。色は灰色で、同じ表は厚い巻層雲に似ているとも書き添えています。

どこにできるか(高さ・どの雲に付くか)

手引きの表11-1は、この雲を出現高度2kmから7kmの中層の欄に置いています。ただし同じ表の注は「中層欄のAsは、上層まで広がっていることが多く」と断っており、雲底は中層にありながら、頭は巻層雲と同じ高さまで届くことがあります。全天をおおうことが多く、厚みを増した部分は乱層雲として記録されます。

なぜその形になるか

手引きの参考「雲の発生」は、暖かい気団が冷たい気団の上にはいあがる広範囲のゆっくりした上昇を層状の雲のできかたとして挙げ、前線の傾きは1/300程度、上昇速度は毎秒数cmから数十cmという数字を添えています。上昇が急でないため対流の粒に割れず、水平に伸びた一枚の面として厚みを増します。同じ高さでも急な上昇が起これば粒に割れ、高積雲の並びになります。

似た雲との分け方

巻層雲との境は暈にあります。手引きはこの雲を「日のかさ、月のかさ現象を生じない」と書き分けていて、輪が出ないことがこちらの印です。乱層雲との境は厚みで、手引きは乱層雲を「いずれの部分も太陽を隠してしまうほど厚い」としています。太陽の位置がぼんやりでも分かればこちら、どこにあるか分からなくなれば乱層雲です。

この雲が出ている空で起きていること

中層から上層にかけて、湿った空気が層のまま広がっている状態です。雲底から落ちた粒が地上へ届かず途中で消えていれば、それは尾流雲として別に記録されます。下に湧いた低いちぎれ雲は付属雲のパンヌスで、手引きもこの雲や乱層雲の下に低い雲ができることを書いています。この一枚の面は温暖前線に沿って広がる形で、観測の記録に残ってきました。