高積雲

十種雲形

高さ: 中層(2〜7km)

陰のある雲片が、指の幅ほどの大きさで並びます。雲片の見かけの幅を1度から5度までとするのが気象庁『気象観測の手引き』の線引きで、ひつじ雲はこの雲の俗称です。

どう見えるか

見かけの幅が1度から5度の雲片が、白と灰色の濃淡を持って並びます。気象庁『気象観測の手引き』は「小さなかたまりが群をなし、斑状又は数本の並んだ帯状の雲」と書き、「規則的に並んだ雲片の見かけの幅は、1度から5度までの間にあるのが普通である」と数字を添えています。普通陰がある点が、陰を持たない巻積雲との違いです。日本ではひつじ雲と呼ばれてきました。

どこにできるか(高さ・どの雲に付くか)

中層の雲で、手引きの表11-1が挙げる出現高度は2kmから7kmです。空気の層がゆるく持ち上がる場所や、山を越えた風の風下側に現れます。同じ中層には一枚の面として広がる高層雲があり、粒に割れるかどうかで雲形が分かれます。中層の雲の状態はCM-0からCM-9の符号で記録され、そのうちCM-3からCM-9までの七つがこの雲の形に当てられています。

なぜその形になるか

この形をつくるのは、中層に横たわる薄い層の中の対流と波です。上がった所で水滴ができ、下がった所で消えるので、明暗の並びがそのまま空に残ります。手引きはCM-4に「レンズ型をした高積雲が散在して存在している状態」、CM-8に「塔状を呈してつらなった高積雲又は房状の高積雲がある状態」を置いていて、レンズ雲や塔状雲はこの雲に付く種の名です。

似た雲との分け方

上下を巻積雲と層積雲に挟まれた真ん中が、この雲の位置です。手引きは巻積雲の雲片を見かけの幅1度以下、層積雲を見かけ上5度以上としており、その間がここに入ります。伸ばした腕の先で、小指1本に収まれば巻積雲、指三本までの幅ならこちら、それを超えれば層積雲と当てられます。陰の有無も同じ向きに効きます。

この雲が出ている空で起きていること

中層に湿った層があり、その中で上下の小さな動きが続いている状態です。粒の並びが波の列になれば波状雲、帯が一点へ集まって見えれば放射状雲と、同じ雲に変種の名が重なります。夏の朝に塔の並ぶ形が現れた空は、中層の大気が不安定なしるしとして記録されてきました。粒の大きさが変われば、層の厚みも変わっています。