見積もりの出し方

受ける前

金額と範囲を先に文字で示すこと

何の話?

頼まれた内容に対して、金額と作業範囲と納期を先に文字で示す書類です。契約前の目安にすぎませんが、後で食い違ったときに何を約束したかの証拠になります。話の勢いのまま着手すると、作業が増えても断る根拠がなく、値段は最初のままで残ります。慣れないうちほど、口頭で済ませないことです。

どうするか

作業を工程ごとに分けて行を立て、それぞれに数量と単価を書きます。合計の下に含まれない作業を明記し、修正は何回までかも入れます。納期は受注日ではなく素材が揃った日からと書きます。2週間ほどの有効期限を付け、了解の返信をもらってから着手します。

よくある場面

動画編集で「十分の動画を一本」とだけ受けると、字幕や効果音や素材集めが後から乗ってきます。見積もりに「編集と書き出しまで、字幕は別料金、素材は支給」と書いてあれば、追加の依頼は改めて見積もる話に戻せます。契約範囲外の追加作業を避ける、いちばん短い手です。

つまずくところ

急いでいる相手ほど見積もりを飛ばしたがります。それでも一通の返信でよいので、金額と範囲と納期を文字で残します。消費税の扱いを書かないと税込か税抜かで揉めます。金額が大きい仕事や継続の話は、契約書と発注書を交わすところまで進めておくほうが安全です。

解説動画: 見積書 請求書の作り方 書き方とマナー (顧客とのやりとり、どのタイミングで送る?)/平ちゃんのビジネスアイデアひらめき教室

先に出して承諾を取る: 金額の話は切り出しにくいが、聞かないまま作業を進めると、後から出した見積もりが相手の想定と違う額になる。話を聞いた段階で「まずお見積もりを出します」と伝え、承諾を取ってから着手する。途中で範囲外のものが出てきたら、そのつど見積もりを出して確認を取る。飛ばして請求書だけ送るのは失礼にあたるとされ、見積もりありきで進めるのが基本。

見積書に入れる項目: 宛名は会社名と担当者名、そこに件名。自分の側は屋号・氏名・連絡先で、印鑑は厳密には不要だが押してあるほうが印象はよい。管理用に見積番号を振っておくと便利。有効期限も入れておく。動画の例では3か月で、ずっと有効のままでもよいが期限は切っておくほうがよいという。

値引きは行を分けて書く: 値引きするとき、値引き後の額を単価欄に書かない。通常の金額をそのまま入れ、その下にマイナス1万円のような値引き行を別に立てる。値引き後の数字だけを見せるとそれが通常価格だと思われ、次の依頼で元の額を請求しにくくなる。差し引いた分が見えていれば、これだけ値引きしたと相手にも伝わる。

消費税の書き方と備考欄: 消費税は額を打ち込まず「上記+消費税」と書いておく手もある。税率が変わっても使えるからだ。備考欄には含まれないものを書いておく——文字データは先方に用意してもらう、文字校正は含まない、イラストや撮影が出てきたら別途見積もり、といった具合。本来は別紙の契約書で交わすほうがよい範囲の話でもある。

出した後、入金までの段取り: 見積書はPDFにしてメールで送るのがほとんど。承諾されたら作業に入り、完了後に請求へ移る。ただし支払いが2〜3か月遅れることもあるので、手付金を先に受け取る形も紹介している。残りは完了後でいい。請求書の出し方では入金期限日を書いておく。書かないと相手の締め日次第になり、いつ入るのか読めない。