実績のつくり方

受ける前

最初の1件を取るための実績づくり

何の話?

発注側が最初に見るのは経歴の長さより実際に仕上げた物です。ところが最初の依頼を受けるには実績が要るという、順番の矛盾にぶつかります。ここを抜ける道は、依頼を待たずに自分で課題を設定した制作物をつくり、条件と狙いを添えて実績として並べることです。無償の仕事や身内の頼まれごとも、公開の許可さえ取れれば数に入ります。

どうするか

まず受けたい仕事を一つに絞り、その仕事で来そうな依頼文を自分宛に書きます。次に本番と同じ手順で作り、かかった時間と使った道具を記録します。仕上がったら狙いと工夫を三行だけ添え、ポートフォリオに載せます。週末二回分を一件と見て3件ほどそろえば、応募のときに見せられる形になります。

よくある場面

画像制作を始めたい人が、架空の洋菓子店を想定して季節ごとの告知画像を3枚作り、想定した客層と伝えたい一言を添えて公開する、といった形です。実在の店の名前を借りるのは避け、練習作だと明記します。何を考えて作ったかが読める一枚は、実案件の経験が無くても判断材料になります。

つまずくところ

練習作を作り続けるだけでは、応募しない言い訳になっていきます。三件そろった時点で見切り発車し、受けながら差し替えるほうが早く進みます。逆に安い案件で数だけ増やすのも実績にはなりにくく、平日夜の時間だけが削られます。何件こなしたかより、見せられる一件があるかどうかです。

解説動画: 実績ゼロのフリーランスWebデザイナーが案件をとる方法/アキユキ / Web制作チャンネル

実績は自分でも作れる: 客から依頼された仕事だけが実績ではない、というところから始まる。自分のサイトやポートフォリオを作れば、それも「どれだけ作れる人か」を見せる材料になる。話し手自身、勉強して作りたかったサイトを1つ仕上げ、SNSに「こういうものを作りました」と載せたら、それを見た友達から声がかかって最初の案件になったという。

不安を消し、上を足す: 実績が無くても信用があれば取りやすい。初対面の相手には2つの角度で考える。不安要素を消す——個人に何十万円も払う側は、質や希望どおりのものが出てくるかを必ず不安がる。前の制作会社に細かい修正のたび請求されて困ったと聞けば、その程度は自分で直せる形で納める、そこで請求もしないと先に伝える(事実である範囲で)。プラス要素を足す——依頼が制作だけでも、納品後の運用の仕方まで添える。

無料でも受けるか: 無料でもいいからやる、という案も出す(本人が賛否両論と断っている)。机の上で勉強を続けるより、実際の依頼を1つ通したほうが提案力も実践力も付くという理屈。ただし無料なら誰でも受けてくれるわけではない。サイトはその会社の見え方に関わるので、金をかけていいものを作りたい人のほうが多く、狙うのはこだわりは強くないが必要ではある人。

募集サイトと紹介会社: クラウドソーシングは競争が激しく精神的にきついので続かない人もいる、と率直に言う。ただし提案を数多く出すこと自体が場数にはなる。案件紹介会社は初期費用や継続の費用がかかり、紹介はされても受注できずに金だけ出ていくこともあるので、提案力がある人向け。本人の実感としては知人経由が一番取りやすい。

実績づくりの心得: 心得は3つ。何が何でも作る——相手が実績を見る理由はスキルの見極めと社会的信用の2つで、後者は最初は無理でも前者は自作で示せる。今できる最高を値段にかかわらず出す——10万円の依頼なら20万円もらえそうな出来で返す。営業するなら素性を明かす——名前も経歴も分からない相手に信用しろというほうが無理がある。