断り方

受ける前

受けない仕事を角を立てずに返す

何の話?

受けない、あるいは途中で降りると伝える技術です。副業は使える時間が限られるので、断る力がそのまま続ける力になります。いちばん損なのは返事を先延ばしにすることで、相手の予定も自分の時間も止まります。断っても縁は切れず、条件が合えば次に戻ってくることは珍しくありません。

どうするか

返事は24時間以内に出します。文面は礼、断る事実、理由、代案の順に並べ、詫びを重ねすぎないようにします。理由は稼働の都合とだけ書けば十分で、細かく説明する義務はありません。可能なら受けられる時期を添え、曖昧な保留にしないで閉じます。先方が代わりを探せるよう、早いほど親切です。

よくある場面

三日後が納期の依頼に「今週は本業の都合で品質を保てないため、今回は見送らせてください。来月以降でしたら同じ内容を承れます」と返す形です。納期の見積もりの段階で無理と分かったなら、受ける前に返すほうが双方の損は小さく済みます。受けてから謝るより、印象は落ちません。

つまずくところ

断りにくい相手ほど、単価が安かったり修正が終わらなかったりします。際限のない修正要求に近い状態なら、契約の範囲を示して切り上げる判断が要ります。着手後に降りる場合は、途中の成果物の扱いと受け取った分の返金をこちらから先に申し出ます。連絡を絶つのが最悪の終わり方です。

解説動画: 仕事を押し付けてくる人の対処法:上手な断り方のコツ5選【元人事の心理カウンセラーが解説】/職場の心理カウンセラー あおい

断られた側は案外平気: 断れない人は相手の反応を気にしすぎる。だが頼み事を日常的にする人は1人に断られても別を探すだけで、じゃあ他に頼むわとあっさり去っていく。不機嫌な態度を見せる人もいるが、それは態度で要求を通そうとしているだけ。普段からきちんと仕事をしている人なら、事情を説明して断る程度で評価は下がらず、抱えて納期に遅れるほうがまずい。

枕詞で断る流れを作る: 「できません」の一言が出ないなら、前に置く言葉から入る。申し訳ございませんが、あいにくですが、心苦しいのですが、せっかくですが。これだけで断りの気配が伝わり、そっけない印象にもならない。加えて相手の名前を呼んでから切り出すと印象が良くなる——名前を呼ばれると好感度が上がる(ネームコーリング効果)。

理由は短く、ただし言う: 理由は言ったほうがいいが、長いほど反論されて押し切られるので短く。コピー機の順番待ちで先に使わせてほしいと頼む実験では、要求だけなら承諾率60%、「急いでいるので」と本当の理由を足すと94%、「コピーを取らなければならないので」という理由になっていない理由でも93%。中身より、理由が付いていること自体が効く。

対立ではなく相談にする: 断る側と断られる側の対立にしない手。これを受けると今日締め切りの資料が間に合いません、どうしましょうと相談の形で持っていくと、相手のほうが他へ回す・順番を入れ替えると動いてくれる。同僚からの依頼でも、どちらを先にすべきか上に相談すると言えば引き下がることが多い。その日の作業を書き出しておくと見せながら話せる。

代案を出す、黙る: 自分からノーと言わずに済ませる形もある。今日は無理だが明日までなら、全部は無理だがこの部分なら、代わりにこれを頼めますか、と条件を出し、受けるかどうかは相手に決めさせる。日頃からこれをやっていると気軽には振られなくなる。それも難しければはいと即答せずに黙る。復唱して黙るとたいてい察して引くが、察さずに置いていく人もいるので、最後に断りの気配だけは言葉にする。