手取り

お金の言葉

手取りは、差し引かれたあとに実際に残る額。

どういう意味?

提示された額面から、差し引かれるものを引いたあとに実際に口座へ残る額です。厚生労働省の「確かめよう労働条件」によると、給与は全額払いが原則で、引けるのは所得税などの源泉徴収や健康保険料・厚生年金保険料・労働保険料のように法令が認めたものと、労使協定のあるものです。額面と手取りの差は、給与明細や入金の記録で毎回確かめてください。

どこで出てくるか

副業の入金では、報酬を払う側が源泉徴収で所得税を先に引くことがあり、原稿料や講演料は100万円以下なら10.21%です。フリーランス法の対象になる取引では、公正取引委員会のQ&Aが、振込手数料を報酬から差し引くことは合意の有無にかかわらず報酬の減額にあたるとしています。請求額と入金額がずれたら、支払明細で内訳を確かめます。

使うときの注意

同じ月額給与でも、加入する制度で手取りは変わります。厚生労働省の試算例(月額給与98,000円)では、手取りの概算は、国民年金・国民健康保険に加入して働くと76,300円、社会保険に加入すると83,500円、社会保険の扶養の範囲なら97,500円です。給与以外の所得の住民税は、確定申告書で住民税の普通徴収か天引きかを選ぶ欄があります。入金の流れは入金サイクルと資金繰りで整理しています。

出典

  1. 公的機関 厚生労働省 確かめよう労働条件 賃金の額や支払方法などは、労基法等で規制がありますか?
  2. 公的機関 国税庁 No.2795 原稿料や講演料等を支払ったとき
  3. 公的機関 公正取引委員会 フリーランス法 Q&A(Q78 振込手数料の差し引き)
  4. 公的機関 厚生労働省 社会保険適用拡大特設サイト 手取り額の変化について
  5. 公的機関 国税庁 【確定申告書等作成コーナー】-住民税の徴収方法の選択(令和7年分申告)

解説動画: 「年収900万円以上取ると所得税が…」これ誤解です。年収別にかかる所得税/住民税/社会保険を詳しく教えます。/脱・税理士スガワラくん

税率がかかるのは額面ではない: 所得税は5%から45%まで段階的に上がる超過累進税率で、住民税10%を足すと最高55%。ただし税率表を当てはめる相手は額面ではなく、給与所得控除や社会保険料などを引いた後の課税所得だ。年収400万円の例では控除で計250万円を引いた150万円が対象になり、所得税は7万5000円、住民税を足しても22万5000円で済む。

900万を超えた分だけ33%: 年収1500万円の人は控除420万円を引いて課税所得1080万円。33%の区分に入るが、全額に33%はかからない。195万円までは5%、330万円までは10%と、区切りごとに税率をかけて合計する。出てくる所得税は約203万円で、年収に対する割合は13.5%ほどにとどまる。

速算表の控除額はなぜあるか: 税率表の右端に載っている控除額は、この段階計算を一発で終わらせるための数字。1080万円に33%をかけると356万4000円だが、そこから控除額153万6000円を引くと、区切りごとに足した202万8000円とぴたり合う。1段ずつ計算しなくてよいように国税側が用意した表だという。

手取りを削るのは税より社会保険: 給与500万円のシミュレーションでは社会保険が約77万円と一番重く、所得税13万3000円・住民税24万900円と続く。手取りは約385万円で、引かれる割合は22.9%。給与1000万円なら28%、2000万円で35%、3000万円で40%と上がっていく。

上限があるので急には跳ねない: 住民税は所得に対して一律10%、社会保険は給与の約15%だが、健康保険と厚生年金には上限額があって一定を超えると増えない。給与5000万円でも負担割合は45%で、最高税率55%という言葉ほどは取られない。900万円で収入を止める必要はないという結論。