源泉徴収

お金の言葉

源泉徴収は、報酬から先に引かれている所得税。

どういう意味?

報酬を払う側が、支払うたびに所得税をあらかじめ差し引き、原則として翌月10日までに国へ納める仕組みです。対象になる報酬は決まっていて、原稿料や講演料などが当たります。国税庁の案内では、100万円以下の支払いなら10.21%、超えた分は20.42%です。令和9年分以後は防衛特別所得税も加わるため、率が変わる可能性があります。

どこで出てくるか

企業から直接受けた仕事の支払明細に、源泉所得税という名前で並びます。謝金や車代などの名目でも、実態が原稿料や講演料と同じなら対象です。支払う側が個人で給与を払っていなければ、引かれないのが原則です。ただし給与を払っている個人は、その給与に納める税がなくても、報酬から引く義務があります。扱いは源泉徴収される報酬で整理しています。引かれた額を毎回控えておくと、申告のときに困りません。

使うときの注意

引かれた分は払いすぎになっていることがあり、確定申告で精算します。原稿料や講演料は、同じ人への年間の支払いが5万円を超えると支払調書の提出範囲です。デンマークの税務調査の実験では、支払う側など第三者が報告する所得の申告漏れはほぼゼロで、自己申告では目立ちました。支払調書が届かなくても申告はできるので、入金額と引かれた額は自分で記録しておきましょう。手取りを収入と勘違いすると、あとの計算が狂います。

出典

  1. 公的機関 国税庁 No.2502 源泉徴収義務者とは
  2. 公的機関 国税庁 No.2792 源泉徴収が必要な報酬・料金等とは
  3. 公的機関 国税庁 No.2793 報酬・料金等の源泉徴収義務者
  4. 公的機関 国税庁 No.2795 原稿料や講演料等を支払ったとき
  5. 公的機関 国税庁 No.7431 「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」の提出範囲と提出枚数等
  6. 公的機関 国税庁 確定申告により源泉徴収された所得税の還付を受ける
  7. 論文・英語 Henrik Kleven, Martin Knudsen, Claus Thustrup Kreiner, Søren Pedersen, Emmanuel Saez(2011) Unwilling or Unable to Cheat? Evidence from a Tax Audit Experiment in Denmark

解説動画: 源泉徴収税という税金はない!計算方法など勘違いしやすいポイントを深堀り解説!/Money Forward Business

源泉徴収税という税金は無い: 源泉徴収とは、会社が給料や報酬を払うときにあらかじめ税金を差し引いて支払うこと。給与をもらう人だけでなく、個人事業主やフリーランスが会社から受け取る報酬も同じように引かれている。ただし源泉徴収税という税金があるわけではなく、引かれているのは所得税。国に納めるのも本人ではなく、預かった会社の側になる。

なぜ会社に集めさせるのか: この仕組みがある理由は、国が簡単に確実に税金を集められるから。ひとりずつ納めさせるより、事務処理に慣れた会社にまとめて任せた方が確実という考え方だと説明する。受け取る側にも、先に引かれているぶん申告すれば戻ってくることが多いという面があり、それが申告する動機にもなる、という見方。

対象は人ではなく仕事の種類: 引くかどうかは人ではなく、やった仕事が対象かどうかで決まっている。例に挙がるのはデザイン・翻訳・原稿の執筆で、税理士や弁護士、司法書士といった士業への報酬も対象。だから原稿を書いて請求する側は、源泉徴収を差し引いた請求書を自分で作って発行することになる。

税率と、税込か税抜きか: 税率は報酬の10.21%。1回の支払いが100万円を超えると税率が倍になる場合があるなど細かい決まりがあるので、国税庁のページで確かめるよう案内している。計算のもとは原則消費税込みの金額だが、本体価格と消費税が区分できていれば本体だけにかけてよい。税込で計算すると手取りは減るものの、申告で精算されるので最終的な損得は無い。

請求書の書き方と、その後: 請求書は本体価格+消費税−源泉徴収額=振込額という形にすることが多く、足し引きを逆にする計算間違いが起きやすいところ。引かれた所得税は確定申告で戻る可能性があり、申告書に書く欄があるので、請求書を出すたびに控えて1年分を集計しておく。払う側は預かった税を翌月10日までに納め、1年分を支払調書として税務署に報告する。