資金繰り

お金の言葉

資金繰りは、入る前に出ていくお金のやりくり。

どういう意味?

お金が入る時期と出ていく時期のずれを、やりくりすることです。利益が出ていても現金が足りない状態は起こります。中小企業基盤整備機構は、企業間の取引では売ったあとも数か月は現金が入らない場合があり、その間にも仕入代金や人件費を払うと説明しています。売上が急に伸びる時期は、受け取っていない代金や在庫が膨らみ、黒字でも資金が追いつかないおそれが高まります。

どこで出てくるか

仕入れのある販売、外注を使う制作、機材を先に買う仕事で強く効いてきます。入金の間隔は入金サイクルと資金繰りで整理しています。公正取引委員会のQ&Aによると、フリーランス法は業務を委託する事業者に、仕事の成果を受け取った日から60日以内のできる限り短い期日で報酬を払うよう求めています。締め日と支払日の組み合わせで待つ長さが変わるので、初めての相手ほど契約の前に確かめてください。

使うときの注意

第一歩は、事業用の口座を分けて生活費と混ぜないことです。中小企業基盤整備機構は、3〜6か月先が見える資金繰り表を月ごとに作るとよいとしています。所得税の納付は原則として翌年3月15日、住民税は前年の所得に応じて課されるので、税金の分は使わずに置きます。残高を1日の支払額で割ると、入金なしで耐えられる日数が出ます。米国の小規模事業者の取引を調べた銀行系の研究所の2016年の報告では、その中央値は27日でした。

出典

  1. 公的機関 中小企業基盤整備機構(回答:中小企業診断士 田中正浩) 黒字倒産とはどのようなものでしょうか?また、そうならないためにはどうしたらよいのでしょうか?(J-Net21 ビジネスQ&A)
  2. 公的機関 中小企業基盤整備機構(2023) 資金繰り表を活用する(J-Net21 経営ハンドブック)
  3. 公的機関 公正取引委員会 Q&A(フリーランス・事業者間取引適正化等法)
  4. 公的機関 国税庁 No.2020 確定申告
  5. 公的機関 東京都主税局 個人住民税
  6. 資料・英語 Diana Farrell(JPMorgan Chase Institute)(2016) For Small Businesses: Cash is King

解説動画: なぜ、PLは黒字なのに資金繰りは厳しいのか?【自社の資金繰り構造を把握して黒字倒産回避!】/税理士YouTuberチャンネル!! / ヒロ税理士

帳簿の上では黒字: 例に出るのは毎月の売上200万円、材料の仕入150万円、固定費40万円の建設業。会計では引き渡した月に売上が立つため、2か月目からは毎月10万円の黒字が並ぶ。現金が入ったかどうかは、この計算に関係しない。

入金までに4か月かかる: 材料を仕入れて1か月後に工事が完成し、引き渡して請求しても、代金は翌月に手形で受け取る。その手形が現金になるまでさらに60日。仕入代金の支払いは1か月後に来るので、出ていく側だけが先に動き、入金は5か月目まで無い。それまでは払いっぱなしが続く。

6か月で利益10万・現金は590万不足: 同じ6か月を並べると、損益計算書の利益は10万円の黒字。ところが入金は400万円しかなく、仕入と固定費で990万円出ていくため、手元は590万円のマイナスになる。この立て替えている部分が運転資金にあたる。

運転資金は売掛金と在庫: 銀行が言う運転資金は毎月のランニングコストではなく、売掛金と在庫から買掛金を引いた額。大きさは入金と支払いの日数の差と粗利率で決まり、粗利が低いほど先に出る仕入が重くなる。在庫は現金が出たままの状態で、かといって減らしすぎれば売る機会を逃す。

伸ばすほど苦しくなる形: 条件を変えずに売上規模だけ倍にすると、不足は590万円から940万円へ広がる。支払いが先に来る製造・建設・卸・運送のような事業者相手の仕事は、拡大するほど資金繰りが重くなる。飲食や小売は現金が毎日入り、仕入を待ってもらえるぶん逆になる。