二次利用
契約と仕事の言葉
二次利用は、納めたものを別の用途で使い直すこと。
どういう意味?
一度納めたものを、最初に決めた用途とは違う場面で使い直すことです。著作権を譲らず使う許可だけを出す契約では、著作権法63条2項が、許諾を得た側の使える範囲を許諾に係る利用方法及び条件の範囲内としています。ウェブ用と決めた絵を印刷物や商品に載せるのは、その外へ出る例です。許諾で得た使う権利を他の人へ譲るにも、著作権者の承諾が要ります(同条3項)。
どこで出てくるか
文化庁は、契約書作成支援システムの公開から10年以上がたち、SNSなど当初は想定されなかった場での制作や二次利用が増えたと説明しています。そのFAQは、既存の原稿・イラスト・写真・自作の楽曲や映画・ダンスの二次利用には、利用許諾のひな形を勧めています。著作権と納品物の権利の条項とあわせて確かめる点で、範囲の決め方は案件ごとに違います。
使うときの注意
フリーランス法の対象になる取引について、公正取引委員会のQ&Aは、発注者が権利の譲渡や許諾を受けたいなら給付の内容に範囲を明記し、対価を報酬に加える必要があるとします。ですから範囲と対価が発注の条件に書かれているかを先に確かめ、想定外の使い方が出たら追加を相談しましょう。著作権ごと譲る契約では、翻案などに関わる権利(27条・28条)を特に挙げないと譲った側に残ると推定されます(61条2項)。
出典
- 公的機関 公正取引委員会 フリーランス法 Q&A(Q81 成果物の知的財産権の取扱い)
- 公的機関 e-Gov法令検索 著作権法 第61条(著作権の譲渡)
- 公的機関 e-Gov法令検索 著作権法 第63条(著作物の利用の許諾)
- 公的機関 e-Gov法令検索 著作権法 第27条(翻訳権、翻案権等)
- 公的機関 e-Gov法令検索 著作権法 第28条(二次的著作物の利用に関する原著作者の権利)
- 公的機関 文化庁 「著作権契約書作成支援システム」の構築について
- 公的機関 文化庁 誰でもできる著作権契約 よくあるご質問
解説動画: 【契約解説】絵師ママにVtuberモデルの制作依頼する時の注意事項【Vtuberクエスト】/Vtuberクエスト【世界一学べるVtuber解説アニメ】
権利は2つに分かれる: 描いてもらったキャラクターには、描き手の側に著作権と著作者人格権が生まれる。前者はそのキャラで商売することを止められる権利で、譲り受けられる。後者は表記を求めたり勝手な改変を止めるための権利で、譲渡できない。買い取っても描き手の意向は残る。
使ってよい範囲を先に決める: 薦められている形は、著作権は買い取り、人格権は行使しないと取り決めること。ただし譲らない相手もいるので、その場合は使える範囲を事前に決めておく。グッズのデザインと販売、動画配信での使用のように、想定する用途を具体的に並べて確かめる。
後から止められない形に: 決めずに進めると、描き手の気まぐれでそれまでできていた配信ができなくなる例が普通にあるという。活動の範囲を制限しない、一部を制限する場合も後から追加で禁止されないことまで書いておく。年齢制限のある内容など、制限の中身も詰めておく。
他の人に頼めるかどうか: 他のつくり手の制作を制限されると、別の描き手へ発注できなくなる。加工の可否も同じで、決めていないと装備を足した投稿や改変ができない。訴えるところまで行く人はまずいないが、直接文句を言いに来る相手はいると話している。
契約書でなくても効く: 形式は契約書でなくてもよく、メールで条件をまとめて送り、確認しましたの一言をもらうだけで効力があるとしている。あとはやり取りを保存しておく。ただし話し手は法律家ではないと断っており、参考として受け取る前提の内容。