秘密保持契約

契約と仕事の言葉

仕事で知った情報を外に出さない約束

どういう意味?

仕事の中で知った情報を外に出さないと約束する契約で、頭文字からNDAとも呼ばれます。公表前の企画や顧客の名前、価格の条件などが対象になり、契約が終わったあと数年は効力が続く書き方が一般的です。うっかりの雑談も違反になりえます。

どこで出てくるか

企業から直接受ける案件では、着手の前に結ぶよう求められます。案件サイトの規約に同じ趣旨の条項が入っていることもあり、会社員なら本業側の秘密保持義務とも重なります。両方の約束を同時に背負う形になる点は、意識しておく価値があります。

使うときの注意

守る対象が広すぎないかを読んでください。実績として公表できない契約だと、その仕事をポートフォリオに載せられません。公開してよい範囲を署名の前に確かめ、名前を伏せた形なら出せるかまで聞いておくと、あとで困りません。

解説動画: 【企業法務】秘密保持契約書(NDA)5つのポイント/リーガルメディアTV

何を防ぐための紙か: 取引の交渉の途中で秘密情報を渡す必要があるとき、第三者に漏らされることや交渉以外の目的で使われることを防ぐために結ぶ契約、と定義している。NDAやコンフィデンシャル・アグリーメントと表記されても同じもの。企業間だけでなく従業員との間でも結ぶ。なお収入印紙は不要。

契約と法律、二重の守り: 民法は私的自治が原則で、当事者間の合意は自由に決められる。だから契約書を交わせば、自社が渡した情報の扱い方を自分たちで決められる。加えて、不正競争防止法が守る営業秘密に何が当たるのかを契約で明確にできるので、法律上の保護も設定しやすくなるという二段構えで説明する。

自分がどちら側かで反対: チェックの方向は立場で裏返る。主に情報を出す側なら範囲は広めに、受け取る側なら狭めに設定したほうが有利。理想は自社が義務を負わず相手だけが守秘義務を負う形だが、現実に片面的な契約は難しいとする。双方が負うなら、自社が使う予定のない情報まで入っていないかを見る。グループ会社でも使うなら関連企業も利用できると先に書いておく。

範囲を最大に広げた条項: 例に挙げるのは「文書、口頭、電磁的記録媒体その他開示の方法及び媒体を問わず、本契約締結の前後を問わず開示した一切の情報」という書き方。開示の方法も情報の種類も限定せず、契約を結ぶ前に渡していた情報まで対象に入る。時系列で見ても非常に広く、出す側に立つならこう書くことも考えられる、という紹介。

誰と、いつ結ぶか: 企業間なら、試作品の設計を頼み、その出来次第で本格的な製造委託へ進むような話は取引開始前に結ぶ。既にある商品の取引なら基本契約書に秘密保持条項を置く手もある。従業員は入社時の誓約書、在籍者は就業規則か改めての誓約書、退職時の誓約書と時系列で整理する。