契約不適合責任

契約と仕事の言葉

納めたものが約束と違ったときの責任

どういう意味?

納めたものが契約の内容と違っていたときに、作った側が負う責任です。以前は瑕疵担保責任と呼ばれていました。直す、減らす、解除するといった請求を受けることがあり、気づいてから1年など期間の定めが置かれます。無償で直し続ける話とは別です。

どこで出てくるか

請負に近い契約の条項として並びます。請負と準委任の違いでいう請負に整理される仕事ほど関わりが深く、制作物やシステムの案件では条文が細かく書かれます。検収の期限と並べて読むと、責任がいつ終わるのかが見え、引き受ける範囲も決めやすくなります。契約の型によって、重さが変わる部分です。

使うときの注意

何をもって約束どおりとするかが曖昧だと、争いになります。仕様を文章と図で残すこと、直す範囲と回数を先に決めることが備えになります。動かない、話が違うという言葉だけで請求されないよう、合意の記録を残してください。条文は改正されうるので、最新の内容で確かめましょう。

解説動画: 民法 債権編#31 「契約不適合責任」解説 【宅建・行政書士・公務員試験対策】/動画で民法がわかーる。【行政書士試験対策】

契約どおりでない、とは: 契約に適合しないものが納められたときの責任で、債務不履行責任を細かくしたものという位置づけ。不適合になるのは種類・品質・数量の3つ。頼んだのと別の作り手のやかんが届いた、新品を頼んだのに汚れたものが来た、3つ頼んで2つしか来ない——この種の食い違いが当たる。

買い手が取れる四つの手: 追及の方法は追完・代金減額・損害賠償・解除の4つ。後ろの2つは債務不履行で決まっていることがそのまま効いて、損害賠償は売り手に責任がある場合だけ。いっぽう解除は責任がなくてもできる。この責任は債務不履行の問題でもある、と押さえるとつながる。

追完請求で何を求めるか: 求められるのは修補・代わりの物・足りない分の引渡しのいずれか。汚れたやかんなら、きれいにさせても別の物を出させてもよく、どれで直させるかは買い手が選べる。ただし売り手は、買い手の負担が重くならない範囲なら別の手段で対応してよい。買い手側に原因がある不適合では請求できない。

減額はいきなり言えない: 代金減額は、原則として先に期間を定めて追完を求め、それでも直らないときに使う。例外は、追完が不可能なとき、売り手が応じないと明言したとき、その日時を過ぎると意味がないとき。きちんと対応してもらえないなら、いきなりの減額請求もありと考えるとよい、とまとめている。

通知の期限と免責の特約: 種類と品質の不適合は、知った時から1年以内に「不適合があった」と通知しないと追及できなくなる。通知さえすればよく、その間に請求まで終える必要はない。数量は見れば分かるので期限はない。責任を負わない特約も結べるが、問題を知りながら告げなかったなら、やはり責任は残る。