検収

契約と仕事の言葉

検収は、発注側が納品物を確かめる手続き。

どういう意味?

納品のあとに、発注側が納めたものを注文どおりか確かめ、受け取りを正式に認める手続きです。民法の請負は、報酬を目的物の引渡しと同時に払うのが原則(633条)ですが、検収を条件にする契約では、ここを通って初めて完了した扱いになります。確かめる期間はあらかじめ日数で決めておくのがふつうで、定めがないと、いつ完了なのかが宙に浮きます。

どこで出てくるか

業務委託の契約書や発注書に、検収期間は納品から7日といった形で書かれます。案件サイトでは、発注者が完了のボタンを押した時点で検収済みとして扱われる仕組みが多く、押し忘れがそのまま遅れになることもあります。請求は検収のあと、という順序が一般的な流れです。営業職向けのビズ大学の動画は、買う側の会社では検収の処理をした日に買った扱いになり、処理が翌日になる決まりなら月末近くの納品は代金も翌月分になる、と説明しています。

使うときの注意

検収されないまま放置されると、報酬の支払いも止まりがちです。ただ公正取引委員会のQ&Aによると、フリーランス法の対象の取引では、支払期日は受け取った日から数え、物品は検査の有無を問いません。期限を過ぎたら自動で完了とみなす一文があるかを読み、無ければ契約の段階で相談し、催促は日付と履歴で短く伝えます。検収後も、民法の請負では、発注側は不適合を知って1年以内に通知しないと、直しや減額などを求められません(637条1項)。

出典

  1. 公的機関 公正取引委員会 Q&A(フリーランス・事業者間取引適正化等法)
  2. 公的機関 民法(e-Gov法令検索) 民法 第633条(報酬の支払時期)
  3. 公的機関 民法(e-Gov法令検索) 民法 第637条(目的物の種類又は品質に関する担保責任の期間の制限)
  4. 動画 ビズ大学 今更聞けないビジネス用語 検収とは

解説動画: 業務委託契約書の作成方法!7つのポイントと契約条項の工夫例などを弁護士が解説します。/弁護士 西川 暢春 - 弁護士法人咲くやこの花法律事務所

「検査合格後に払う」型: 報酬の払い方として、委託業務の完了検査を行い、検査に合格してから支払うと決めることができる、と説明する。委託する側から見れば前払いよりリスクが低い形。毎月払いが多い継続契約と違って、単発の業務型ほど支払い時期の決め方が効いてくる。

何を納めるかを先に書く: 検査の物差しは契約書の側にある。製造を委託するなら製品の仕様をきっちり決める。そうしないと、違うものが仕上がってきたときに「仕様違いだ」と言えなくなると指摘する。検品や保管まで任せるならそれも委託業務として書く。保守業務なら、不具合の原因調査までか修正・復旧まで含むのかの線を引く。

中間金は日付で決めない: 着手時・中間・完成時と分けて払う場合、中間金の時期を日付で特定しないことを勧めている。「どこまで出来た時」という到達点で書く。日付で決めると、業務があまり進んでいないのに支払い時期だけ到来しかねない、というのが理由。

検査期間は書面で伝える: 資本金1000万円超の会社が、それより小さい会社や個人事業主へ委託する取引は、下請法の適用を受けることがある。物品を受け取って検査をするなら、検査期間を書面で通知する義務がある(下請法3条の書面)。発注書でもよいが、契約書に書くほうが便利とする。

減額とやり直しの禁止: 下請法が適用されると、支払いは納品後2か月以内、サービスなら提供を受けてから2か月以内が義務になる。いったん決めた代金は同意があっても減額できない。仕様どおりに仕上げてきたのに、やっぱり違うともう一度やり直させるのは違反で、処分の対象になる。