冷蔵庫で浸す

浸す

動かすもの: 温度

長く浸けるときは、容器ごと冷蔵庫に入れて浸します。常温で長時間置くと、溶け出た糖やアミノ酸を餌に細菌が増えることがあるためで、一晩など長く浸ける場合の置き場所として案内されている方法です。

何が起きているか

常温で長く浸けると、溶け出た糖質やアミノ酸を餌にして細菌が繁殖することがあります(新潟大学 大坪研一 監修)。細菌そのものは炊飯の加熱で殺菌されますが、芽胞や耐熱性の毒素が残る可能性は皆無ではないとされます。浸漬中の細菌増殖を避けるための置き場所が、冷蔵庫です。冷やしても吸水が止まるわけではありません。

動かす数字

吸水は約2時間で飽和するので、吸水量そのものは増えません。一晩置く意味は時間の側にはなく、置き場所の側にあります。冷蔵庫内はおおむね0〜5℃で、水温が低いぶん飽和までの時間は常温より長くかかります。米は一晩水につけておくとよいが成り立つとすれば、この条件つきです。長く置く狙いは、朝の手間を減らすことにあります。

台所での測り方

ふたのできる容器に米と水を入れ、冷蔵庫に置きます。前の晩に仕込む場合も入れた時刻を書き留め、翌朝は水をはかるをやり直さず、そのまま炊きます。浸すの記録と並べるときは、庫内の温度も同じ欄に書いておきます。米と水を入れた容器は、ほかの食品と分けて置きます。扉の開け閉めが多い場所は、温度が動きます。

よくある失敗

炊飯器の内釜に米と水を入れたまま、夏場に常温で何時間も放置するのが最も避けたい形です。冷蔵庫に入れても何日も置けません。水からすっぱいにおいがする状態になっていれば、米は一晩水につけておくとよいの側には立たず、炊かずに捨てる判断になります。内釜のまま入れてよいかは、炊飯器の説明書で確かめます。

解説動画: 洗い米「土井善晴の和食アプリ」特別公開版ムービー/土井善晴の和食アプリ

米は乾物である: 動画は、届いたばかりの精米を手に取り、ぬるっとする感触は表面に残るぬか層の粉だと言います。そのうえで米は乾かして保存できるようにした乾物で、そこに価値があったのだから、炊くとは水を吸わせて元の姿に戻すことだと説明します。洗う目的も、粉を落とすことと水に出会わせることの二つに整理されます。

洗い米にする: 洗ったら水気をよく切り、真ん中をへこませて置きます。30〜40分で周りに残った水が吸われ、半透明だった粒が白っぽくなる。これが洗い米で、話し手は乾いた感じがしなくなると言い、米は2割から3割大きくなると付け加えます。吸水を、水に浸けたままにしない形で済ませる段取りです。

浸けたままにしない: ここで釘を刺されるのが、米と水が出会った瞬間から細菌が増え始めることです。夜のうちに予約して朝に炊き上がるようにした釜の中は、何時間もその状態で置かれている、と話し手は言います。だから水を切った洗い米は袋に入れ、冷蔵庫で持たせる。常温に置けばにおいの出た米になってしまうと言い切ります。

増えた嵩で水加減: 朝は袋から出し、綺麗な水で水をはかるだけです。動画は2カップの米が吸水して2カップ半に増えていることを量り直し、その嵩と同じ体積の水を合わせます。増えかたは米によって違うから毎回量る、という言い方で、道具は茶碗でもよく、米と水を同じ器で量ることだけを守ります。

炊くのは早炊き: 吸水はもう終わっているので、動画は早炊きや急速のモードでよいと結びます。炊飯器にまかせる場合も同じで、浸ける時間を外で別に取る前提が消えます。長く置くこと自体が狙いなのではなく、置き場所を冷蔵庫に変えて、朝に要る時間のほうを前の晩へ先送りしておく、という組み立てです。