おにぎりは熱いうちに握る?
おにぎり
答えは、その場で食べるか持ち歩くかで割れます。温かいうちは形がまとまりますが、持ち歩くときは粗熱を取ってから包むという別の目安があります。
言われていること
炊きたての熱いうちに握るとよくまとまり、冷めた米では粒がほどけて形にならない、と料理本やおにぎり店の紹介で言われます。手を水で濡らして塩をつけ、湯気の立つご飯を持ち替えながら握る手順が、写真つきで載っています。いっぽう弁当の作り方の案内には詰める前によく冷ますとあり、握る温度をめぐって正反対の指示が並んでいます。
測るとどうか
農林水産省「お弁当づくりによる食中毒を予防するために」は、詰める前に冷ますこと、素手で触らないことを挙げています。厚生労働省の大量調理施設衛生管理マニュアルは、直ちに提供しない食品を10℃以下または65℃以上で管理するとし、加熱後に冷ます場合は30分以内に20℃付近、または60分以内に10℃付近まで下げるとしています。
誰が・何を・どう測ったか
数値は厚生労働省の大量調理施設衛生管理マニュアル(平成9年制定・平成29年最終改正)で、対象は集団給食施設などの大量調理です。家庭の台所を想定した基準ではありません。握る温度を60℃・40℃・室温のように変えて、形のまとまり方や数時間後の菌数を比べた公開データは、公的機関と学会誌を探した範囲では見当たりません。
だからどうする
すぐ食べるなら熱いうちに握る。持ち歩くなら、握ったあとラップの口を開けて湯気を逃がし、粗熱が取れてから包み直します。常温で持ち歩くときは、温かいまま密閉し続けないことが、握る強さ(おにぎりは強く握らないほうがおいしい)より先に決まる条件になります。海苔を別に包むと、包み直す手間も減ります。
まだ分かっていないこと
何℃で握ると粒がまとまるのかという温度の実測は見当たりません。ラップで握る場合に、包んだまま冷ますのと開けて冷ますので、中の温度と水分がどう違うのかも測られていません。粗熱を取るあいだに食感がどれだけ変わるのか、握り直しでまとまりが戻るのかも、公開された比較がありません。握る回数についても同じです。