おにぎりは熱いうちに握る?
おにぎり
おにぎりを握るのに適した品温は、一つに決まっていません。
言われていること
おにぎり店「ぼんご」の女将は、握るときの温度は75℃ぐらいがよく、それより熱いとべたつきが出ると話します(情熱大陸)。TOKYO KITCHEN(チャンネル名)は、ご飯は熱すぎず冷たすぎないぬるめがよく、熱いとマヨネーズが溶けると説明しています。いっぽう農林水産省の弁当の案内は、温かいうちに盛りつけると蒸気で水分がこもり、傷みの原因になるとしています。これは衛生の手引きで、握りやすさの話ではありません。
測るとどうか
農研機構の2025年の論文は、品温を5〜65℃まで振り、ご飯の硬さと付着性を測りました。2024年の論文は、品温を5〜45℃で比べ、硬さと付着性、成形したおにぎりの重さを報告しています。農林水産省「米の調理特性」は、炊飯で糊化(α化)が60℃付近から始まり、蒸らすあいだに飯粒の周りの遊離水が粒の中へ吸われて、水分の分布が均一になると説明します。蒸らし期は消火後10分程度で、この間は高温を保つとしています。
誰が・何を・どう測ったか
農研機構の2件は、どちらも卓上型のおにぎり成形機にかけた結果で、手で握った結果ではありません。2025年の論文は、令和5年度の茨城県産のコシヒカリとミルキークイーンの2品種を使いました。どちらも要旨を読んだ範囲の話で、全文の手順や条件は確かめていません。情熱大陸の字幕は一部が崩れていて、75℃は字幕から読み取った数字です。
だからどうする
手で握るなら、TOKYO KITCHEN(チャンネル名)は手を湿らせて塩をすり込んで握っています。強く握ると中の空気が抜けるので、HTB北海道ニュースの動画は、力はいらないと話しています。熱々で握るなら、情熱大陸の女将が挙げた75℃ぐらいを目安にし、それより熱いご飯はべたつくと話していることを覚えておきます。持ち歩くなら、農林水産省が温かいうちの盛りつけを傷みの原因としているため、冷ましてから詰め、早めに食べます。
まだ分かっていないこと
手で握ったときに粒がまとまるかと品温の対応は測られていません。どの品温で握るのがまとまりやすいかは、要旨の範囲では比べられていません。重さの変化も成形機で測った値で、手で握っても同じかは分かりません。店の目安の75℃ぐらいが、測定の値とどう重なるかも確かめられていません。2025年の要旨は、品種によって温度による成形性の変わり方に差があったとしますが、測ったのは2品種だけです。
出典
- 論文 向峯遼・岡留博司(農研機構)(2025) 品種と品温の差が明らかにする米飯の物性と機械成形性の関係
- 論文 向峯遼・岡留博司・奥西智哉(農研機構)(2024) 米飯の品温が物性ならびに機械成形特性に与える影響
- 公的機関 農林水産省 米の調理特性
- 公的機関 農林水産省 お弁当づくりによる食中毒を予防するために
- 動画 情熱大陸 公式チャンネル おにぎりの名店「ぼんご」の女将がクックパッドの取材に明かした究極の塩おにぎりの作り方。
- 動画・英語 TOKYO KITCHEN How to make Tuna Mayo Onigiri rice ball. Easy to find ingredients, easy to follow instructions !
- 動画 HTB北海道ニュース プロが直伝!《おむすびきゅうさん おにぎりの握り方講座》【HTB北海道ニュース】