ぬか層

米の構造

玄米の表面を覆う層で、米が水を吸うのを妨げます。ビタミンやミネラルのほか、檜作進が糊化を抑えると示したリン・カリウム・マグネシウムなどの無機質を多く含みます。分づき米は削るほど、この層由来の成分が減ります。

何が起きているか

玄米の表面を覆う層で、ビタミンやミネラルのほか、リン・カリウム・マグネシウムなどの無機質を多く含みます。檜作進は、糠に多いこれらの無機質がでんぷんの糊化(α化)と膨潤を抑え、老化(β化)を促進することを実験で示しています。糠を落とすことには、においだけでなく炊き上がりの物性の面もあります。白米に残っているのは、精米で表面に再付着した分になります。

何によって変わるか

この層がどれだけ残るかは精米の度合いで決まります。分づき米は白米を10割としたときの搗き具合で三分・五分・七分と呼ばれ、削るほど糠層由来の成分は減ります。層が残っているほど水の通りが悪く、玄米を浸す時間は白米より長く必要になります。胚芽精米は胚芽を残す別の考え方の精米です。同じ米でも、どこまで搗いたかで炊き方の前提が変わります。

よくある勘違い

「ぬかを落とすのはにおいのため」という言い換えは、半分だけです。洗うことで落ちる肌ヌカには、においの面だけでなく糊化を抑える無機質という物性の面もあります。一方で力を入れてしっかり研ぐは別の話で、農林水産省が紹介している貝沼やす子ら1990年の比較実験では、研ぐ方法と洗う方法で飯の総合評価に有意差は認められていません。強く研げば米が砕けます。落とす目的が2つあると分かれば、洗う強さの話とも切り離せます。

台所での意味

玄米・分づき・白米で浸水時間と炊き上がりが変わる理由がここにあります。玄米が硬いときにまず疑うのは加熱より吸水で、玄米を浸す時間を先に見ます。無機ヒ素がこの層に多いことも、分づき米は玄米と白米のいいとこ取りを読むときも、同じ層をめぐる話として並べられます。どの段階まで搗いた米を買ったのかを、まず確かめるところから始まります。

解説動画(海外・英語): STRUCTURE AND COMPOSITION OF RICE GRAIN/FOOD TECHNOLOGY

籾殻という外側: 動画は米粒を外側から順に見ていきます。いちばん外の籾殻は籾の重さの2割ほどを占め、セルロース・リグニン・ケイ素が多い層で、虫やカビ、機械的な傷から中を守り、水分が逃げるのを抑える役だとされます。食べる部分ではないので脱ぷで取り除き、そこで玄米になると説明します。

ぬかは重なった層: 玄米の表面を覆うぬかは1枚ではなく重なった層だと述べます。外から果皮、種皮、その内側の珠心という薄い膜、そして胚乳に接する糊粉層。糊粉層は生きた細胞が一層だけ並んだもので、タンパク質・ビタミン・ミネラルが多く、胚に栄養を送る役だとされます。米ぬか油の出どころもこの層です。

胚乳と胚芽の中身: 胚乳は粒のおよそ7割を占め、でんぷんが9割、タンパク質が6〜8%で、でんぷんの粒が米のタンパク質の網の中に埋まっていると説明されます。ここが白米として食べる部分で、米粉やでんぷんの原料にもなると述べます。胚芽は2〜3%しかない一方、2割前後が脂質で、粒の中でいちばん油の多い部位になります。

搗くと何が減るか: 精米はまず籾殻を落として玄米にし、次にぬか層と胚芽を削って胚乳だけにする工程だと整理されます。ぬかは粒の8〜10%でタンパク質・ビタミン・油に富み、磨きの段階では糊粉層まで落ちるため、削るほどそのぶんが減り、白米は玄米よりビタミンB群が少ないと述べます。灰分として挙がるのはリンやカリウム、マグネシウムです。

胚芽を落とす理由: 胚芽を削るのは、脂質が酸化や加水分解で劣化して日持ちを縮めるためだと説明されます。水分も同じ見方で、14%を超えるとカビの危険が上がるため12〜13%あたりが保存の目安。最後は中身が品種・精米の度合い・保存の条件で変わると述べ、どこまで搗いた米なのかに戻ります。