ギンナンの外種皮

かぶれと皮膚炎

秋の歩道に落ちる実の、果肉状の外種皮が原因です。イチョウの雌株だけが落とすもので、拾った手と踏んだ靴からかぶれが始まります。

どんなことが起きるか

外種皮の果肉に触れると、1〜2日ほどあいて手や前腕にかゆみの強い紅斑と水疱が出ます。日本皮膚科学会『接触皮膚炎診療ガイドライン2020』の表13は原因物質をギンゴール酸とビロボールとし、接触部位を越えて全身性接触皮膚炎を起こす場合があることも挙げています。葉にも少ないながら含まれます。

原因になる植物

イチョウの雌株が秋に落とす実です。国土技術政策総合研究所「わが国の街路樹Ⅸ」ではイチョウが全国の街路樹で最も多く、52万1075本が数えられています。落果を踏んだ靴の底と、素手で拾った手が実際の入口です。同ガイドラインは、マンゴールやカルドールとレゾルシノール誘導体として交差すると記しています。

その場でどうするか

付いた果肉を石けんと流水で落とし、爪の間まで洗います。洗う前に顔や首を触らないことが要で、触れた手で拭うと反応の出る範囲が広がります。症状が出るのは翌日以降で、付いた当日は気づかないまま持ち歩くことになります。靴底に付いた分は屋外で落とし、玄関で素手のまま拭かないようにします。衣類に付いたものは、ほかの洗濯物と分けて洗います。

受診の目安

触れていない場所にまで発疹が出たときは、全身性接触皮膚炎として皮膚科に相談します。水疱がつぶれて浸出液が出る、1週間たっても引かないも受診の合図です。落果の季節に毎年繰り返すなら、拾った覚えがなくてもそのことを伝えます。日本皮膚科学会『接触皮膚炎診療ガイドライン2020』はギンナンの外種皮を表13に挙げており、原因の確定はパッチテストで行います。

起こさないために

落ちた実に触れずに済ませるのが早道です。歩道の木は道路の附属物にあたり、持ち帰りの扱いは落ちた実の持ち帰りの側の話になります。片づけるならニトリル手袋と長靴を使い、素手で拾わないようにします。実を落とすのは雌株だけで、同じ並木でも落果のある区間は限られます。秋の並木道では足元を見て歩くだけでも、靴底に付ける量が減ります。