pH値

源泉と採取の欄

pH値は、分析書に二か所あります。湧出地で測った値と試験室で測った値が別の欄に載り、指針の例示では7.6と6.57というように食い違います。

分析書のどこに書いてあるか

一つは3のチ、湧出地における調査および試験成績の中です。もう一つは4のホで、密度や蒸発残留物と同じ、試験室における試験成績のまとまりに入ります。鉱泉分析法指針(平成26年改訂)の例示は現地7.6、試験室6.57と、二つの数字をそのまま並べています。紙の上では離れた場所に置かれるので、先に見つけたほうだけを読んで済ませやすい欄です。数字を拾う前に、その枠の見出しがどちらなのかを確かめます。

何を表す数字か

水溶液の酸性・中性・アルカリ性の度合いを示す目盛で、指針6-2は水素イオン濃度の対数として扱うと定めています。二度測るのは、現地と試験室で湯の状態が変わるためです。同6-2の注は濃厚な温泉水や二酸化炭素を多量に含む温泉水は、成分の空気酸化やガスの逸散に伴ってpHが変化しやすいと述べており、二酸化炭素泉の側で起きやすい変化です。

読むときの手がかり

液性の分類は湧出時のpH値で決まります(指針1-2)。掲示や泉質名にあるアルカリ性といった語は3のチの数字から来ているので、見比べるなら現地の値です。単純温泉のうち湧出地でのpH測定値が8.5以上のものをアルカリ性単純温泉と呼ぶ決まりも、同じ現地の値を使います。二つの値の差そのものも手がかりです。開きの大きい紙は、持ち帰るあいだに状態の変わりやすい湯だったことになります。

よくある誤読

試験室の数字だけを見て、掲示の液性と合わないと読むのは外れです。二つは別の場所で測った別の値で、どちらかが誤りというわけではありません。液性の言葉がどこに出るかは浸透圧・液性・泉温の併記が扱います。もう一つ、肌ざわりをpHだけで説明する読み方は裏づけが弱く、ぬるつく湯はアルカリ性?の側の話です。