電気伝導率

源泉と採取の欄

電気伝導率は、溶けている量を現地で手早く見る値です。単位はS/mで、液温25℃に直した値を書きます。古い分析書には欄そのものがありません。

分析書のどこに書いてあるか

鉱泉分析法指針(平成26年改訂)が現地試験項目と試験の成績に挙げた欄で、pH値の並びに置かれます。枠でいえば3、湧出地における調査および試験成績の中で、泉温と気温や湧出量と同じまとまりです。指針の例示は1.85 S/m(25℃)と入れています。ただし環境省が示してきた温泉分析書様式にはこの行がありません。手元の紙に見当たらないのは、測っていないからとは限りません。

何を表す数字か

溶液中のおおよその溶存成分の総量を表す値です(指針6-3)。水に溶けているイオンの量と、そのイオンが電気を運ぶ速さで決まるため、塩分濃度が高い湯ほど大きく、低い湯ほど小さくなります。塩化物泉のように濃い湯では大きく出ます。電気抵抗率の逆数にあたり、単位はS/mです。値は湯の温度でも動くため、液温25℃に直した値を書き、括弧に25℃と添えます。

読むときの手がかり

溶存物質計の見当を付ける手がかりになります。指針6-3は25℃の湯について溶存物質(g/kg)=α×電気伝導率(S/m)というおおよその関係を示し、αは一般に7〜9としています。例示の1.85 S/mにαを7として掛けると12.95 g/kgで、同じ紙の溶存物質12.91 g/kgに近い値です。

よくある誤読

精密な濃度そのものではありません。指針6-3は「概ね以下の関係がある」と断ったうえで式を示し、αは地域ごとに分析者が検討するとしています。単純温泉のように低い値では、水の解離で生じる水素イオンと水酸化物イオンの影響が大きくなり、換算式が使えない場合があるとも同6-3が注意しています。