その他の微量成分

成分の欄

イオンの表の下に、小さな字で並ぶ行です。総ひ素や総水銀といった名がmg/kgで書かれ、多くは「未満」という形で入っています。

分析書のどこに書いてあるか

陽イオンと陰イオンの表の下、5のニに置かれた枠です。環境省の温泉分析書様式は「その他微量成分」の欄を設け、総ひ素・鉛・亜鉛・銅・総水銀といった名をmg/kgの単位で並べます。値は0.05mg/kg未満のように、そこまで量って見つからなかったことを示す形で入ることが少なくありません。すぐ上はメタけい酸の並ぶ非解離成分の表です。試験した項目だけが並ぶ欄なので、載っていない物質は量っていないことになります。

何を表す数字か

主成分の表に載らない、ごく少ない量の成分をまとめた欄です。試験する項目は泉質によって足され、鉱泉分析法指針(平成26年改訂)3-3の第3-1表が、どの湯でどの項目を加えるかを定めています。ひ素の行があること自体は、この紙の作り方から来ています。温泉法上の温泉の別表が、ひ酸水素イオンとメタ亜ひ酸を判定の物質に数えているためで、紙を作る手順そのものが泉質から決まります。

読むときの手がかり

「未満」の行は、量が示された値より下だったという意味です。数字そのものより、定量の下限をどこに置いた試験かを先に読みます。「未満」の値どうしを引き算しないことも要ります。示されているのは下限であって、量そのものではありません。並ぶ項目は湯によって入れ替わり、含鉄泉や硫黄泉で上の表に主成分として現れる成分が、別の湯ではこちらへ回ります。

よくある誤読

行の名前だけを見て、湯の安全の判定に読み替えないことです。ここは試験室が量った成分の量を並べた表で、体への影響を判じる欄ではありません。行が並んでいること自体は、別表に載る物質を確かめた跡です。飲用の可否も、この欄からは決まりません。飲むことの扱いは温泉の利用の許可と掲示の側にあり、掲示の文言の出どころは温泉の成分等の掲示が扱います。