水風呂

銭湯とサウナの設備

名前は水でも、扱いは浴槽です。厚生労働省の衛生等管理要領は浴槽内の湯水をまとめて「浴槽水」と呼んでおり、水を張った槽にも同じ水質の基準と換水の管理がかかります。

何のためのものか

湯を張らずに、低い温度の水をためておく浴槽です。厚生労働省「公衆浴場における衛生等管理要領」は浴槽内の湯水をまとめて浴槽水と呼び、温度による線引きを置いていないため、この槽も湯船と同じ管理の対象に入ります。ろ過器を通して回す構造なら循環式浴槽として、抜いて張り替える構造なら浴槽の換水の型として、湯の側と同じ数え方をされます。この本でたどれるのは、その設備と水質の側の決まりです。

どう使うか

入る前に、洗い場かシャワーで汗を流します。要領が施設に課している「浴槽に入る前に石ケン等を用いて身体をよく洗うよう入浴者へ衛生上の注意を喚起すること」という一文は、湯の張られた槽だけを相手にしたものではありません。水温は浴槽の温度計で読めます。要領は浴槽に、入浴者が容易に見える位置の温度計を備えることを求めており、槽の縁に下がる札もその一つです。入る前に数字を確かめられる場所になっています。

掲示・表示との関係

水道水を張った槽は、壁の分析書には出てきません。温泉法にもとづく温泉の成分等の掲示が並べるのは源泉の湯についての数字で、源泉の冷たい湯を引いている槽なら、そちらの掲示に載ります。読み合わせる先は衛生の側で、要領は「入浴者の心得その他必要な事項」の掲示を脱衣室等に求めています。汗を流してから入る旨の札もその延長です。浴槽水の検査の結果は掲示ではなく施設に残る記録で、3年以上の保存が管理基準に入っています。

気をつけること

水が冷たいことは、消毒や換水を省いてよい理由にはなりません。厚生労働省「レジオネラ症を予防するために必要な措置に関する技術上の指針」(平成15年告示、平成30年一部改正)が狙うのは配管とろ過器に付く生物膜で、レジオネラ対策の指針が並べる管理も、槽の温度ではなくろ過器を1週間に1回以上逆洗浄することや、遊離残留塩素の濃度を保つことの側にあります。ろ過して回す槽では、循環水取入口の位置も先に確かめておくところです。