アンドロメダ座

秋の星座

見え方: 肉眼で見える

アンドロメダ座は、秋の四辺形の角から北東へ並ぶ3つの2等星を背骨にした星座です。

形のたどりかた

人の姿は追わず、2等星の列を一本たどります。四辺形の北東の角アルフェラッツを出発点に、北東へミラク、アルマクと、2等台の星がおよそ13度おきに並び、間に3.3等のδ星が挟まります。この列が星座の中心線で、南北へ出る4等の枝が姿を作ります。角から数えて三つ目までが2等台で、そこから先の枝は4等以下なので街では消えます。列の先はペルセウス座の方向へ続き、四辺形と天の川をつなぐ橋になります。

目じるしになる星

西端のアルフェラッツは秋の四辺形と共有する2.1等で、ペガスス座の図から入っても同じ星に行き着きます。中央のミラク(β星)も2.1等の赤みのある星で、銀河への道はここから始まります。ミラクから北へ、4等のμ星、4.5等のν星と小さく二つたどった先に、目当てのしみがあります。東端のアルマクまで来ると天の川はすぐそこで、三つの主星に明るさの差はほとんどありません。ミラクの赤みは、白いアルフェラッツと見比べると分かります。

見ごろの時期と南中高度

20時ごろの南中は11月下旬です(国立天文台の位置の目安)。北緯35度ではアルフェラッツが南中高度およそ84度、赤緯の高いミラクは天頂をかすめ、銀河は天頂をわずかに北へ越えた高さに来ます。大気減光がほとんど効かない高さですが、首を反らせた姿勢では長く見ていられません。寝ころぶマットを敷いた姿勢のほうが続きます。10月の宵は東、1月の宵にはもう西で、秋から冬の初めまで高さの心配がいらない星座です。

見える範囲(緯度と空の明るさ)

銀河が肉眼で分かるかどうかが、その場所の物差しになります。見かけの等級は3.4等ですが光が広い面に散っているため表面輝度が低く、市街地では位置が分かっても何も浮かびません。郊外で細長い光のしみになり、環境省の星空観察が扱うような暗い空では伸びる向きまで分かります。月の出ている夜は郊外でも輪郭が消え、位置だけが残ります。緯度より空の明るさが効く相手で、同じ夜でも街の側を向いた空では位置しか分かりません。

星座の中の見どころ

アンドロメダ銀河がこの星座のすべてです。双眼鏡では中心の明るい部分だけが楕円形に見え、銀河は渦を巻いた姿で見えるという写真の記憶は裏切られます。長い方向の見かけは3度ほど、満月6個ぶんに相当しますが、目に届くのは中心のごく一部です。伴銀河のM32とM110は8等から9等の小さな点で、双眼鏡ではまず分かりません。アルマクは5等の伴星が9.7秒角離れた二重星ですが、双眼鏡では割れずに一つの星のままです。

出典

  1. 公的機関・英語 NSF NOIRLab Andromeda
  2. 公的機関・英語 NASA NASA's Hubble Traces Hidden History of Andromeda Galaxy

名前と物語

由来

ギリシャ神話では、ケフェウス座の王とカシオペヤ座の王妃の娘アンドロメダと伝わります。母が海の妖精たちより美しいと自慢したことに怒った神々が、国を荒らす怪物を送り込みました。王女は生贄として岩に鎖でつながれ、くじら座の怪物に差し出されましたが、通りかかったペルセウス座の英雄に救われ、のちに二人は結ばれたという話が伝わっています。

正体と距離

星座の背骨をなす三つの星は、見かけ以上に離れています。アルフェラッツは約97光年、中央のミラクは約197光年、東端のアルマクは約350光年先にあり、手前から奥へ大きく並びます。地上からは一直線に連なる腕に見えても、奥行きは三倍以上違い、同じ形として結ばれているのは方向がそろっているためにすぎません。

変わるもの

目印であるアンドロメダ銀河は、天の川銀河へ向かって近づいています。秒速およそ110キロメートルで接近しており、今からおよそ40億年先には二つの銀河が合わさると考えられています。人の一生でも文明の歴史でも捉えられない速さですが、この銀河は、はるかな未来に星座の見え方そのものを変える天体でもあります。