スタティックストレッチ

有酸素・ストレッチ

器具: 自重 / 難易度: 初級

スタティックストレッチは、運動後にじっくり伸ばす静的ストレッチ

効く筋肉

狙った筋肉を止めて伸ばし、大腿四頭筋やハムストリングス、大胸筋など固まりやすい部位の可動域を広げる方法です。Behmらの2016年のレビューでは、伸ばした直後に出る可動域の広がりは、たいてい30分未満しか続きませんでした。Wepplerらの2010年のレビューは、1回や3〜8週間のプログラム後の伸びやすさを、筋の長さより感覚の変化で説明する研究が多いと整理しています。

やり方

伸ばしたい筋肉が軽く突っ張る程度の位置で止め、呼吸を続けながら20〜30秒保ちます。同じ部位を2〜3回くり返し、反動はつけません。Tom Merrick(動画)は30秒を目安に、特に固い部位は長めにと説明しています。Thomasら(2018年・23本)のレビューは、1回の長さより週の合計時間と頻度が可動域に関わるとし、静的ストレッチなら週5日以上・合計5分以上が役立ちうると述べています。

フォームの注意点

痛みの手前で止めます。Tone and Tighten の動画は、痛みが出始める所までにとどめ、その先へは進まず楽な範囲で続けるよう説明しています。静的に伸ばした直後の運動成績は、Behmらの2016年のレビューで、1筋群あたり60秒以上なら平均4.6%、60秒未満なら1.1%下がっていました。伸ばしたあとに動的な動きを続けた場合は、はっきりした差は出ていません。

バリエーション・代替種目

運動前はダイナミックストレッチが基本で、静的は可動域を広げたい日に向きます。運動後に伸ばして筋肉痛を減らせるかは、Cochraneのレビュー(Herbertら2011年・12試験)が臨床的に意味のある軽減はないと結論し、Afonsoらの2021年のレビュー(11試験)も、筋力の回復と筋肉痛に差を見つけておらず、根拠の確かさは非常に低いとしています。

出典

  1. 論文・英語 Behm DG ほか(2016) Acute effects of muscle stretching on physical performance, range of motion, and injury incidence in healthy active individuals: a systematic review
  2. 論文・英語 Weppler CH, Magnusson SP(2010) Increasing muscle extensibility: a matter of increasing length or modifying sensation?
  3. 論文・英語 Thomas E ほか(2018) The Relation Between Stretching Typology and Stretching Duration: The Effects on Range of Motion
  4. 論文・英語 Herbert RD ほか(2011) Stretching to prevent or reduce muscle soreness after exercise
  5. 論文・英語 Afonso J ほか(2021) The Effectiveness of Post-exercise Stretching in Short-Term and Delayed Recovery of Strength, Range of Motion and Delayed Onset Muscle Soreness: A Systematic Review and Meta-Analysis of Randomized Controlled Trials
  6. 動画・英語 Tom Merrick 15 Minute Beginner Stretch Flexibility Routine! (FOLLOW ALONG)
  7. 動画・英語 Tone and Tighten 8 Minute Stretching Routine For People Who AREN’T Flexible!

解説動画: 20分で全身を順にほぐすストレッチルーティン/前田のまいにちセルフケア ! by GronG

概要: 座位から仰向け、うつ伏せ、四つ這いへと姿勢を変えながら全身を順に伸ばしていく20分のルーティン。1つのストレッチにつき30秒を目安に、呼吸を止めずに行う。強く伸ばすことは目的ではなく、毎日同じ内容を繰り返して、その日の体の状態を確かめるための習慣として紹介している。張りが強い日は手の位置や角度をゆるめて加減してよい。

首から肩・腕まで: 首はゆっくり回してから横に倒し、頭に手を添えて重みをかけ、反対の腕を斜め下に伸ばして耳の後ろから鎖骨のあたりまでを伸ばす。肩は前ならえした腕を反対の肘に引っ掛けて胸へ引き寄せるが、体が回らないようまっすぐ前を向いたまま行う。腕は上げた肘を曲げて反対の手で押し、曲げた側の手のひらが背中につくように持っていく。背中が丸まらないよう気をつける。

開脚から体側・ふくらはぎ: 軽く開脚して手を前につき、上体を倒して内ももを伸ばす。次に片脚の方向へ体を倒してもも裏、膝を曲げて手を上げ横に倒して体側を伸ばす。体側は横に倒そうとして体がねじれると側面が伸びないので、おへそを前に向け、倒した側のお尻は床につけたままにする。ふくらはぎはつま先を掴んで手前に引き、膝を伸ばすとアキレス腱から膝裏まで伸びる。足の指を開いて反らせるのもポイントとしている。

仰向けでもも裏・お尻・腰: 仰向けで膝裏を両手で持ち、手前に引いてもも裏を伸ばす。次に膝を抱えて反対の肩の方へ引き、大臀筋を伸ばす。大臀筋は筋繊維が斜めに走るので、まっすぐではなく少し斜めに引く。膝を交差させて反対側へ倒すと腰から外ももが、両膝を組んで引き寄せるとお尻がさらに伸びる。股関節の前が詰まる感じがするときは角度をゆるめる。腰や股関節はその日の疲れが出やすい部位なので、重い日は入念に行うとよい。

股関節から背中で仕上げる: 前後に足を開いて腰に手を添え、体を前へ移動して股関節の前を伸ばす。腰を反ると痛い人は反りをほどほどにして、お尻に力を入れて行う。続いてうつ伏せで肘をつき膝を外に開いて内もも、床を押して上体を反らしてお腹、四つ這いで手を自分の方に向けて前腕を伸ばす。最後は背中を反らせてから丸め、脱力して背骨まわりをゆるめて終える。