HIIT
有酸素・ストレッチ
全力と休息を繰り返す高強度の有酸素
効く筋肉
選ぶ種目次第で全身に及びますが、共通して心肺と筋持久力を同時に押し上げる効果があります。下半身種目なら大腿四頭筋と大殿筋、全身種目を選べば大胸筋や三角筋前部まで動員されます。
やり方
全力に近い運動と休息を交互に繰り返します。代表的なのは20秒全力と10秒休憩を8本で合計4分の形式です。週2回までにとどめ、種目はバーピーやスプリントなど反復しやすいものを選びます。
フォームの注意
疲労でフォームが崩れたまま追い込むとケガに直結します。回数より形を守ってください。強度が高いので、心臓や血圧に不安がある人は事前に医療者へ相談し、必ず準備運動を済ませてから行います。
バリエーション・代替
最初は30秒動いて60秒休む比率にすると続きます。器具があればエアロバイクやローイングマシンは衝撃が少なく安全です。回復日はランニングを軽い強度で挟みます。
解説動画: 全身10種目・7分半のHIITメニュー/ザ・きんにくTV 【The Muscle TV】
概要: ジャンピングジャック、ジャンプスクワット、プッシュアップ、バイシクルクランチ、バーピー、ジャンピングランジ、もも上げ、かかとをお尻に当てるヒールタッチ、最後のプランクまで、全身10種目を7分半で続けて行う高強度メニュー。実演のあとに一種目ずつフォーム解説が入る構成で、自分の体調と体力に合わせて行うよう繰り返し断っている。
着地の衝撃を吸収する: ジャンプ系の種目が多いため、着地の扱いを重視している。ジャンプスクワットは深くしゃがんだ状態から跳び、最後はつま先まで蹴り上げてふくらはぎも同時に使う。着地ではドスンと落ちず、膝と股関節の筋肉でブレーキをかけて衝撃を吸収すると膝や腰の負担が減る。ジャンピングランジも同様に、ブレーキをかけながら左右を入れ替える。
各種目のフォーム: ジャンピングジャックは上半身の力を抜かず、体幹を安定させたままリズムよく跳ぶ。プッシュアップは手を肩幅より広くつき、頭の先から足先までまっすぐ保つ。バイシクルクランチは上体を少し起こしたまま、右肘と左膝、左肘と右膝を交互に素早く合わせる。バーピーは手をついて腕立ての姿勢を作り、足を引き寄せてジャンプへつなげる。
後半の種目と締め: もも上げは膝を90度、太ももが床と平行になるくらいまで上げて連続で行う。ヒールタッチはかかとをお尻へ当てるように走るイメージで、きつくなっても前傾しすぎず体を起こしたまま続ける。最後のプランクは肘をついて頭から足先までまっすぐ。終えてみると筋トレだけでなく心肺機能もかなり使うと締めくくっている。
解説動画(海外・英語): HIIT OR LISS: Which Is Better For FAT LOSS? (What The Science Says)/Jeff Nippard
「アフターバーンでHIITのほうが脂肪が落ちる」は言われるほど大きくない: 低強度の有酸素(LISS)は運動中に脂肪を多く使い、高強度は糖質を多く使う——これ自体は事実だが、重要なのは運動中に何を燃やしたかではなく、24時間で見た収支。そこで近年は「HIITは終わったあとも燃え続ける(EPOC=運動後過剰酸素消費、いわゆるアフターバーン)」を理由にHIIT有利とされてきた。EPOC自体は実在するが、Lyle McDonaldがまとめた2006年の研究では、80分の高強度運動のあとEPOCは7時間続いたが、その増分はおよそ80kcalだった。運動中に消費した700〜800kcalと比べれば小さい。そもそも80分は多すぎるので、現実的な40分なら追加はせいぜい40kcal程度。さらに28研究をまとめた2017年のシステマティックレビューは、EPOCでHIITの脂肪減少が説明できるとは考えにくいと結論している。
時間効率という利点は本物。ただし条件付き: 13研究をまとめた2017年のメタ分析では、体組成のどの指標でもHIITと中強度持続の差は有意でなかった一方、HIITは所要時間がおよそ40%少なかった。ただしこの分析の対象は食事管理をしていない肥満・過体重の被験者で、HIITが食欲を抑えた可能性や、きつい運動をしていると感じることで他の場面でも頑張った可能性が混ざる。健常で肥満でない人を条件をそろえて比べれば、この差は縮むだろう、というのが作者の見立て。実際、30分のインターバルと30分の一定ペースは、平均すれば消費カロリーはだいたい同じになる(高い区間と低い区間で均されるため)。
HIITの本当の弱点は回復。そして順序の問題: HIITは定義上きついのでその分の回復が必要(Eric Helms博士)。ウエイトトレーニングと組み合わせている場合、脂肪を落としつつ筋肉を守りたいのに回復を削ってしまう。しかもウエイトトレーニング自体が「20〜30秒の全力+2〜3分の休憩」の繰り返しで、構造としてHIITとよく似ているので、十分な強度で筋トレをしているならHIITの適応の多くはすでに得られているとも言える。結論として、HIITのほうが脂肪が落ちるという説は現時点の文献では否定的。時間効率でわずかに勝つが、言われるほどの差ではなく、回復のコストが付く。
実際にどう組むか: 「HIITかLISSか」という問い自体が主役ではない、というのがまとめ。脂肪減少の大半は食事から来るべきで、有酸素をその主役にしない(Eric Helms博士)。そのうえで作者の実践は、減量期はHIITとLISSを併用し、HIITは週1〜2回まで。実施するときはトレッドミルの全力走のような衝撃の大きい方法ではなく、バイクやクロストレーナーなど関節への衝撃が少ない機器を選ぶ。さらに脚のトレーニングの翌日にHIITを入れず、1日以上空ける。残りの必要な赤字は食事の調整と、必要に応じたLISSで埋める。HIITの利点として、退屈しにくく続けやすい・食欲を抑えることがあるも挙げているので、最終的には続けられるほうを選ぶ、という結論になっている。