パワーグリップ

自重・小物

パワーグリップは、握力が先に落ちるのを防ぐ

用途

ベロ状の部分をバーに巻き付けて握りを補助する道具です。デッドリフトやラットプルダウンなど握力が先に尽きる引く種目で、握りの負担を軽くします。トレーニング歴3年ほどの女性10人が80%1RMのデッドリフトを限界まで3セット行った研究(2023年)では、握りを補助するリストストラップありのほうが回数が多く、握力の落ちも小さい結果でした。押す種目では出番がありません。

使い方

左右の別があり、ベロが手のひら側に当たる向きで手首に巻き、スポンジ同士が付くくらいきつく留めます。緩すぎるとだめだとALLOUT(ギアブランドのチャンネル)は説明します。重量がかかるほどスポンジが手首へ食い込むため、薄いものや硬いものは手首が痛みやすく、選ぶときはスポンジの厚みと硬さを確かめるよう勧めています。

コツ・注意点

ストラップをつけても、狙った筋肉の働きが増えるとは限りません。2026年の総説は、デッドリフトの仕事量は増えうるが筋の動員は増えず、引く種目の結果は一定せず、長期の影響も裏づけがないとまとめます。ALLOUT(ギアブランドのチャンネル)は、素手で持てる種目は素手で行い、握力が尽きる重さだけに使うよう勧めます。前腕を鍛えるなら、Jeff Nippard(英語)は弱点のときに1〜2種目を週1〜2回足すよう勧めます。

出典

  1. 論文・英語 Trahey KM ほか(2023) The Effect of Lifting Straps on Deadlift Performance in Females
  2. 論文・英語 Martins R ほか(2026) Are Lifting Straps a Game Changer for Resistance Training or an Overrated Tool? An Exploratory Review of Current Evidence and Future Research Directions
  3. 動画 ALLOUTの筋トレHACK【トレーニングギアブランド】 【筋トレ必須アイテム】本当のパワーグリップの効果と正しい巻き方
  4. 動画・英語 Jeff Nippard How To Build Huge Forearms: Optimal Training Explained (5 Best Exercises!)

解説動画: パワーグリップの正しい付け方と巻き方/澤原魁門 / かいと【筋肉日記】

まず付け方から: パワーグリップは持っていても付け方や使い方を間違えている人が多い道具。装着では丸くなっている側が親指側に来る向きが正しく、逆に付けている人がいる。手首のラインに合わせてしっかりきつく締めるところまでが装着で、ここが緩いと後の動作が安定しない。

バーへの巻き方: 多いのがベロをバーにペタッと当てるだけ、あるいは少し巻いて終わりという使い方で、これでは滑ってずり落ち、握ることに意識が向いて狙った筋肉に負荷をかけられない。正しくはベロを下から入れてバーに巻きつけ、その上から深く握り込む。手を開いてもバーを保持できるくらい巻けているのが目安で、最後に猫の手のように軽く握る。

ラットプルダウンでの使い方: 使う場面として多いのがラットプルダウン。しっかり巻き込んでから引くと大円筋や広背筋に負荷が入る。よく言われる小指側だけで握って人差し指や親指を外す方法は半分正解で半分間違いとし、小指側だけだとずり落ちて腕や僧帽筋ばかりに入り広背筋が鍛えられない。小指側に力を入れる意識は保ちつつ、きちんと握り込む。

背中以外にも使える: 背中の種目だけの道具ではなく、サイドレイズのように握力を使いすぎて肩や僧帽筋に力が入ってしまう人が、握らずに挙げるために使うのもよい。ダンベルに巻くときもバーベルと同じくグリップにベロを巻きつけて奥まで握り、横から見て腕と手首のラインが一直線になるように持つと力が伝わる。