トレーニングベルト
自重・小物
トレーニングベルトは、腹圧を高めて体幹を固める
用途
腰に巻いてお腹の内側の圧を高める道具です。ベルトを押し返すように腹を張ると胴体が固まり、バーベルスクワットやデッドリフトのように背骨へ負担が乗る種目で使われます。ベルトに慣れた人と慣れていない男女49人が限界までスクワットした2026年の研究では、ベルトありのほうが回数が多く(平均8.1回対6.5回)、本人の感覚では安定が増したものの、体の揺れの測定では全体として改善が見られませんでした。
使い方
位置はへその高さを中心に、しゃがんでも腰骨と肋骨に当たらないところです。息を吸い、腹を前だけでなく脇腹や背中側まで膨らませてベルトを押し返すのが要点だと Squat University(英語)は説明し、ジュラぬきの動画の木澤氏は押し返せる強さで締めるよう勧めます。重量挙げ経験者9人の実験(2006年)では、硬いベルトで背骨の圧縮力が約10%下がったのは息を吸ってから持ち上げたときだけでした。
コツ・注意点
ベルトがあれば腰を丸めても平気、ではありません。フォームが崩れたままの高重量は同じように痛めます。重い荷を持ち上げる実験(1990年、6人)ではベルトで腹圧は99から120mmHgに上がりましたが、背中の筋の活動は減りませんでした。詰め物の厚いタイプは安心感だけで腹圧を助けず、ベルトは腰の保護でなく重い重量を出すための道具だと、eugene teo(英語)は述べます。
出典
- 論文・英語 Veltzke F ほか(2026) A Weight lifting Belt Increases Squat Performance and Subjectively Perceived But Not Objectively Measured Postural Stability
- 論文・英語 Kingma I ほか(2006) Effect of a stiff lifting belt on spine compression during lifting
- 論文・英語 McGill SM ほか(1990) The effect of an abdominal belt on trunk muscle activity and intra-abdominal pressure during squat lifts
- 動画・英語 Squat University Stop Wearing Your Weightlifting Belt Like THIS (Do It Correctly!)
- 動画・英語 eugene teo Complete Guide to Lifting Belts (& Why I Wear Mine So High)
- 動画 ジュラぬき トレーニングベルトの効果と使い方について語るジュラシック木澤
解説動画: 締めすぎないトレーニングベルトの巻き方と腹圧/相澤隼人 / Hayato Aizawa
腹圧とは何か: 高校時代からの腰椎椎間板ヘルニアの経験から、腹圧の考え方を説明している。息を吸って横隔膜が下がり内臓が前へ出るのを、腹直筋や内外腹斜筋、骨盤底筋などで支えた状態が腹圧の高い状態で、ベルトはその支える筋肉をサポートする道具。水を満たしてキャップを閉めたペットボトルが潰れにくくなるのと同じ理屈だと例える。
腹圧を高める理由: 上半身の種目でも下半身の種目でも軸になるのは体幹であり、土台が崩れれば末端の動きも崩れる。腹圧が高まれば動作が安定して狙った筋肉への刺激が抜けにくくなり、怪我の防止につながるうえパワーも発揮しやすくなる。そのためには体幹を太いまま保つ必要がある。
吸い方で腹圧が変わる: 胸を膨らませる胸式で吸うと肋骨が開いて体が伸び、体幹の幅が狭くなってペシャンコになってしまう。スクワットでもベンチプレスでもデッドリフトでも、吸うときはお腹まわりを膨らませ、その上でぐっと力が入る形をつくると腹圧が正しくかかる。
締め方: パワーラックなどにベルトを引っ掛け、思い切り引いて苦しくなるまで締めている人をジムで見かけるが勧められない。ベルトは肋骨と骨盤の間に巻くため、締めすぎると膨らむ余裕がなくなり、肋骨が開いてかえって腹圧が抜ける。少しお腹をへこませたくらいで締めるのがちょうどよい。腰に当てて回し、息を吸いながら締めていく。
締めすぎたときに起きること: 動作中はベルトの圧に対して体幹側から拮抗させ、太くなろうとする力をベルトが抑えることで、より強い体幹の力が生まれる。逆に普段より穴一つ分きつく締めると内臓が膨らむ場所がなく呼吸が浅くなり、スクワットなどで息がもたずフォームが不安定になって怪我につながる。分厚いベルトでは肋骨に食い込んで痛みが出ることもあり、締めればよいのではなく適度な圧力が要る。