ケトルベル
フリーウェイト
ケトルベルは、振って使える取っ手付きの鉄球
用途
取っ手の付いた鉄球で、重心が握りより前下方にあるため振る動作と相性が良い器具です。スイングで大殿筋ともも裏を一気に使います。McGillらが男性7人と熟練者1例で16kgを測った研究では、スイング中の筋活動は最大随意収縮に対して腰の背筋が約50%、殿筋が約80%で、腰の圧縮力は約3,200Nと見積もられました。
使い方
重さは8kg・12kg・16kg・24kgと段階が粗いので、まずは軽いほうから選びます。スイングは腕で持ち上げるのではなく、股関節を折って後ろへ引き、立ち上がる勢いでケトルベルが胸の高さまで浮くという順番で行います。Lakeらの研究(健康な男性21人・6週間・週2回)は、体重70kg未満に12kg、超える人に16kgを使い、30秒動いて30秒休むを12回でした。
コツ・注意点
スクワットのようにしゃがんで持ち上げると腰が丸まり、腰を痛める原因になります。動きの主役はあくまで股関節です。Ottoらが男性30人で6週間比べた研究では、両群とも筋力とパワーが伸びましたが、バックスクワットなど重量挙げ系の群のほうがバックスクワット1RMの伸びは大きく、跳躍と体組成に差はありませんでした。
出典
- 論文・英語 McGill SM, Marshall LW(2012) Kettlebell swing, snatch, and bottoms-up carry: back and hip muscle activation, motion, and low back loads
- 論文・英語 Lake JP, Lauder MA(2012) Kettlebell swing training improves maximal and explosive strength
- 論文・英語 Otto WH 3rd, Coburn JW, Brown LE, Spiering BA(2012) Effects of weightlifting vs. kettlebell training on vertical jump, strength, and body composition
解説動画: ケトルベルスイングのよくある間違いと正しい形/Well+Good
ジムでよく見る間違い: まず誤ったスイングを示す。持ち上げる時点で背中が丸まっているのは体幹が使えていない証拠で、前へ振り上げても弱々しくなる。腰を後ろへ引かずに動かすとパワーが出ず可動域も足りない。最もひどいのは膝を曲げて上下してしまう形で、これではただのジャンプスクワットになる。
構えと持ち上げ方: 常にデッドリフトの姿勢から始め、ケトルベルは足首の骨の間に置く。ハンドルを真っ二つに折ろうとするように握り、脇の下に虫がいるつもりで両脇を締める。まず地面から持ち上げ、動きを滑らかにするために小さな勢いから入るのがよい。
スイングの動き: これはヒップヒンジとヒップスラストの動作で、ケトルベルに体を預けながら腰を後ろへ押し、臀筋と体幹の力で前方へ振り出す。背中は丸めず、体は常にしっかり固定する。膝は少し曲がるものの、意識は股関節のヒンジに置く。視線はまっすぐ前へ向け、顎は少し下げる。
どこに効いていれば正しいか: 股関節のヒンジ動作であり主に後部の筋群を鍛えるため、臀筋・ハムストリングス・体幹に効いている感覚があるのが正しい。適切なパワーで動作させれば心拍数も上がっていくと説明している。