攻略 | オトモストラテジー

読めない・覚えられない・続かないのどれかに絞る。

技を1つ選ぶ前に、困りごとを1つに絞ります。直近1週間でいちばん足を止めた場面を思い出し、読めない・覚えられない・続かないのどれに当たるか1つだけ選びます。読めないは資料を開いても最後まで読み切れない状態、覚えられないは読んだり聞いたりした内容を後で思い出せない状態、続かないは取りかかれない、または始めても途中でやめてしまう状態です。複数当てはまる週でも、選ぶのは1つだけにします。2つの技を同時に試すと、どちらが効いたのかを1週間では確かめられません。

3つのうち、続かないはさらに2つに割れていて、取り違えると合わせる技を誤ります。始める前からその作業を避けていて手が重いのか、始めたあとに他のことへ気を取られて続かないのかを見分けます。前者は時間の使い方ではなく気分の避け方の問題、後者は注意の切り替えが起きている問題で、必要な技が違います。

691件の相関を集めたメタ分析では、課題への嫌悪感・とりかかりの遅れ・自己効力感・衝動性が先延ばしの強い予測因子として挙がっています(Steel 2007)。手が重い作業があるなら、まず先延ばしを気分の問題として見る手順でその作業の何が嫌なのかを言葉にします。やることは分かっているのに手が動かないなら五分だけ手をつけるやり方で最初の一行だけに目標を絞ります。好きなものを使える作業なら楽しみと抱き合わせる形で組み合わせ、すでに後回しにした日を責めてしまっているなら先延ばした自分を許す手順で責める言葉を外します。用事が散らばって何から手をつけるか自体で迷っているなら用事の置き場をひとつにする、短く終わる用事ばかり先に選んでしまう癖があるなら軽い仕事を先に選ぶ癖に備えるの項目が当てはまります。

始めたあとに逸れるタイプは、まず自分から中断する癖に気づくために1時間だけ中断を数え、外から来た分と自分から手を伸ばした分の比率を見ます。外からの分が多いなら通知を切る、通知をまとめて受けるといった手で音と画面の表示を止め、スマホそのものに手が伸びるならスマホを別の部屋に置くやり方を使います。画面を開いたまま別の動画やSNSを流しているならながら勉強をやめる、開いたタブの多さが気になるなら窓を一つだけ開けるやり方で絞ります。同じ誘惑に何度も戻ってしまうなら戻りにくくする工夫で触るまでの手間を増やします。

ここで決めるのは困りごと1つと、気になった技の入口までです。読めない・覚えられないを選んだ場合の技は、次の節以降で絞り込みます。続かないを選んだ場合は、上で挙げた入口のうちいちばん自分に当たっていると感じたものを1つだけ次の節に持っていきます。

出典

  1. 論文・英語 Steel(Psychological Bulletin)(2007) The nature of procrastination: A meta-analytic and theoretical review of quintessential self-regulatory failure