攻略 | オトモストラテジー

困りごとに合う技を、手間の少ない順に選ぶ。

技を1つ選ぶときに見る欄は2つあります。技ごとに付いている「確かめられ方」と「手間」です。手間の少なさだけで選ぶと、根拠の薄い技に真っ先に手が伸びることがあるので、まず確かめられ方で「くり返し確かめられている」か「条件つきで効く」の技に候補を絞り、そのうえで手間が小さい側から試します。「まだ分かっていない」技は試すこと自体は自由ですが、効いたかどうかを自分で見きわめる前提で使います。

覚えられないが困りごとなら、思い出す練習が最初の候補です。手間は小さく、確かめられ方も強い技です。閉じた教材を見ずに思い出す動作が中心で、何を思い出すかは材料に合わせて変えられます。単語や用語なら白紙に書き出す、答えが合っているかをその場で確かめたいなら答え合わせをする、応用力まで試したいなら先に解いてみるや形を変えて思い出す、人に話す機会があるなら教えるつもりで学ぶ、まとまった範囲を区切って確かめたいなら途中でテストを挟むやり方に替えます。線を引く・読み返すといった技は、くり返した満足感は出ますが効果が一貫して確かめられているとは評価されておらず、思い出す技の代わりにはなりません(Dunlosky ほかの2013年のレビュー)。スタンフォード・オンラインハイスクール校長の星友啓氏も、自分の頭だけで思い出す技を最も効果が高い側に置き、線を引く・読み返すだけの技には注意が必要だと説明しています(PIVOT 公式チャンネル)。

続かないが困りごとで、前の節の先延ばしの手当てを試しても動けないときは、決め方の技に移ります。手間が小さい実行意図と具体的で難しい目標にする技をまず試し、それでも手がつかない大きな目標なら望みと障害を並べる手順で現実の邪魔を先に書き出します。目標を人に言う技と自分で締切を刻む技は、手間は小さいものの、効くという報告と効かない報告が並んでおり、まだ分かっていない側の技です。仕組みを作る手間がかかる掛け持ちを減らすやお金や約束で自分を縛るまで上げるのは、小さい手間の技で足りなかったときに限ります。

選ぶ基準はいちばん楽そうに見える技ではなく、確かめられている範囲でいちばん手間が小さい技です。それで足りなければ一段上の手間に上げ、まだ分かっていない技を使うときは、効いたかどうかを自分で見きわめる前提を外しません。

出典

  1. 論文・英語 Dunlosky, Rawson, Marsh, Nathan, Willingham(Psychological Science in the Public Interest)(2013) Improving Students' Learning With Effective Learning Techniques: Promising Directions From Cognitive and Educational Psychology
  2. 動画 星友啓(スタンフォード・オンラインハイスクール校長、PIVOT 公式チャンネル) 【200以上の研究から評価した効果的な勉強法】線引き・読み直しで暗記はNG/テストは学びを生み出す道具である/スタンフォード・星友啓氏が解説【EDUCATION SKILL SET】