字幕をつけて見る
本以外を読む
音と同じ言語の字幕を出して、聞き取りを文字で支える
どんな技?
動画の設定で、音声と同じ言語の字幕を出します。英語の音声なら英語の字幕で、日本語に訳した字幕とは別のものとして扱います。聞き取れなかった語がその場で文字として見えるので、巻き戻して聞き直す回数が減ります。知らない語に出会ったら一度止めて、その語を書き写すところまでやります。音を消して字幕だけを読む使い方は、これとは狙いが違います。
なぜ効くのか
耳だけで聞くとき、音の切れ目を見つける作業と意味を取る作業を同時に進めることになります。字幕は語の切れ目を目で見せるので、その分の認知負荷が下がり、意味の側に頭を回せます。音と文字がそろって入ることで、同じ語に二つの手がかりが付くという説明もされています。どちらもしくみの側の説明で、効き目が確かめられた範囲とは切り離して読む必要があります。
やり方
まず字幕なしで一度通して、聞き取れない場所を確かめます。そのうえで同じ場面を字幕つきで見直し、区切りは5分から10分にして、同じ素材を2回か3回まわします。1回目で内容、2回目で語という順にすると、字幕を読むだけで終わりません。気になった語は文ごと書き写して、あとで思い出す練習に回します。日本語に訳した字幕は、この使い方には向きません。
はまりどころ
効きが確かめられているのは外国語を学ぶ場面で、母語の講義や解説動画で理解が上がるかは同じ研究からは言えません。字幕を追うだけで音を聞かなくなると、聞き取りの練習にならないままです。学習スタイルに合わせるという話とも別で、視覚型だから字幕が向くという理由づけは支持されていません。知らない語が多すぎる素材では、文字を追うだけで終わります。
確かめられ方
Montero Perez ら 2013 のメタ分析で、音声と同じ言語の字幕つきの動画は語彙学習でも内容理解でも字幕なしより有利だと報告されています。Kurokawa ら 2024 の、視聴による付随的な語彙学習を集めたメタ分析も同じ向きの結果でした。ただし対象は外国語を学ぶ学習者で、母語の教材や長い講義での比較はここに含まれていません。