換気は2か所開ける

部屋と空気

入口と出口をつくると空気が通り抜ける

何が起きている?

窓を一か所だけ開けても、カーテンが少し揺れるだけで部屋の空気はなかなか入れ替わりません。離れた二か所を開けると、料理のにおいや湯気が数分ほどで薄くなります。同じ壁の窓を二つ開けるより、対角の二か所のほうがはっきり効きます。廊下やドアを一枚開け足すだけで変わることもあり、開けた数より通り道の形がものを言います。

なぜそうなるか

空気が動くには、押す側と押される側の差が要ります。風が家の一方の面に当たるとそこで流れが止まり、面を押す圧力が上がります。反対側では壁の角で流れがはがれ、圧力が下がります。この差が室内の空気を風上から風下へ押し通し、においや湿気ごと外へ運び出します。一か所しかないと入る道と出る道が同じ口になり、押し合って差が育ちません。通り抜ける量は狭いほうの口で決まるので、片側を大きく開けるより両側を開けるほうが効きます。

確かめ方

二か所開けた状態でドア口にティッシュを吊るし、片方を閉めたときと揺れを比べてください。同じ風でも、閉じたとたんにほとんど止まります。開ける幅を変えると、狭いほうを広げたときだけ流れが増えることも一分ほどで分かります。対角と同じ壁でも差が出るので、位置を変えながら試すとよく見えます。

つながる現象

風上の面で流れが止まって圧力が上がるところがよどみ点、風下で壁から流れが離れて圧力が下がるところが剥離です。入った量と出た量は必ず等しくなるので、狭いほうの口が全体の量を決めます。片側だけ大きく開けても、もう片側が細ければ変わりません。換気扇は、この差を機械でつくる道具です。

解説動画: 第1種換気はコスパ最悪?第3種換気との違いやメリット・デメリットを工務店社長が徹底解説します!【注文住宅】/こだわり社長の家づくり革命ch

入口だけ出口だけでは流れない: 出口がないのに空気を入れ続けると風船のように圧がかかるし、入り口がないまま抜こうとしても同じことが起きる。だから入れた量と同じだけ出すのが基本だと言う。気圧が崩れると耳鳴りがしたり、あちこちの細かい隙間を空気が通ろうとして家が傷みやすくなる。

家をストローに例えると: 社長は家をストローに例える。穴の開いていないストローなら飲み物が口まで上がってくるが、穴だらけのストローでは横から漏れてうまく飲めない。家の隙間はこの穴にあたるので、ある程度の気密がないと、ここから入れてここから出すという計画通りに空気は流れない。目安は気密の数値が1前後かそれ以下。

第1種と第3種の通り道: 第1種は機械で入れて機械で出す方式で、正常に動く限り室内の気圧を一定にしやすい。第3種は排気だけを機械が受け持ち、給気口の穴から自然に空気が入る。排気側はトイレや脱衣所、浴室といったグレーゾーンに置き、リビングの汚れた空気をそちらへ通していく形になる。

流れが止まってしまうとき: 換気扇の力が強すぎると昔の軽いドアがバタンと閉まる。給気口に埃がたまって塞がれば、排気だけになって室内の気圧が下がる。壁付けのプロペラファンは台風や強風の日に外からの風で逆回転し、換気になっていないことがある。隙間だらけの古い家ではトイレの換気扇を回してもその周りの空気が動くだけで、リビングの空気はそこまで流れてこない。

初期費用と電気代の差: 第1種と第3種では、機械や施工の分だけ初期費用にざっくり50万円ほどの差が出ると言う。電気代は第1種で月におよそ1000円前後かそれ以下、第3種は排気だけなのでその半分くらいという見当。第1種は給気のフィルターを1か月に1回は洗う必要があり、交換用フィルターも10枚で2000円から3000円ほどかかる。