エアコンの風が届かない
部屋と空気
吹き出し口から離れるほど弱まる部屋の風
何が起きている?
冷房をつけても手前だけが冷えて、部屋の奥はぬるいままということがあります。吹き出し口では強い風なのに、2〜3メートル先ではもうほとんど感じられません。冷たい空気は床の近くにたまり、暖房のときは逆に暖気が天井に残ります。上下の温度はそろわず、風量を上げても手前が寒くなるだけで終わります。扇風機を足したとたんに届くようになるのも、この状態の裏返しです。
なぜそうなるか
吹き出した空気は、周りの止まっている空気を巻き込みながら進みます。動く量は増えますが、そのぶん速さは分け合われて落ちます。加えて冷気は同じ体積で比べると周りより重いので、その重さの差で下へ沈みます。沈んだ冷気は床に沿って広がり、軽い空気は上に残るため、上下が入れ替わらない温度の層ができあがります。層ができると混ざる道が断たれ、奥の空気は冷えないままになります。届かない原因は風の弱さだけではありません。
確かめ方
ティッシュを一枚たらし、吹き出し口から30センチ、1メートル、3メートルと離してなびき方を見比べてください。三つ目でほとんど揺れなければ、風は届いていません。次に送風機を天井へ向けて弱で回すと、床と天井の空気が混ざり、設定を変えないまま奥の温度が動き出すのが分かります。冷房で風向きを上にするのも同じ狙いです。
つながる現象
天井や壁に沿って風が遠くまで走るのはコアンダ効果のはたらきです。まっすぐな束が途中でほどけて周りと混ざりだすところは層流と乱流の移り変わりで、混ざるほど届く範囲は広がり、そのかわり風の速さは落ちます。風向き板を上へ向けると天井を伝う距離がのび、同じ風量でも奥まで届きます。
解説動画: 【便利家電】サーキュレーター?本当に必要?効果的な使い方をご紹介!/ノジマ【公式】チャンネル
効かないのは置き場所: サーキュレーターを併用しても効果が無かったという声について、動画は使い方、とくに置く場所のほうを疑う。手がかりに挙げるのは部屋の温度差で、空気は冷えると重くなって下へ、暖まると軽くなって上へ動く。だから同じ機械でも、置き方しだいで効き目が変わると言う。
冷房が止まらない理由: 冷房では冷えた空気が床にたまり、エアコンのある天井付近は暑いまま。機械はまだ設定温度に届いていないと判断して大きいパワーで冷やし続ける。暖房は逆で、暖気が天井にたまって頭は暑いのに足は冷たい。温度差をならせば設定温度を必要以上に上げ下げせずに済み、節電につながるという筋道。
冷房のときの置き方: 冷房ではルーバーを上へ向けるので、冷風は天井付近を伝って壁にぶつかり、そこから下りてくる。動画はその冷気が下りてくる場所に本体を置き、エアコンのほうへ向けると空気が回ると言う。帰宅直後で部屋に熱がこもっているときは、逆に熱を外へ逃がす使い方も挙げている。
暖房のときの置き方: 暖房はルーバーを下向きにするため、暖房の風を遮らない位置、エアコンから少し離した場所に置いて真上へ向ける。天井にたまった暖かい空気をかき混ぜて循環させる狙い。ほかに窓の前に置いて部屋に空気を入れる、部屋干しを早く乾かして生乾きのにおいを防ぐといった使い方も紹介される。
扇風機とは役割が違う: 見た目は似ていても目的が別だと整理する。サーキュレーターは空気を動かして循環させるための道具で、その風は直線的で力強い。扇風機は風を体に当てて涼をとるためのもので、柔らかく広い範囲に広がるよう作られている。だから置き換えではなく使い分けになる。