重石

容器と重し

重石は、材料を押さえて水を上げ、空気に触れる面を無くすための道具です。

どんなもの?

材料を押さえて水を上げ、空気に触れる面を無くすための道具です。バージニア工科大学とイリノイ大学の指針は、野菜を汁の1〜2インチ(約2.5〜5cm)下に保つよう求めています。前者は、沈めると酸素が遠ざかり、乳酸菌が競争で有利になるとも書きます。重石は「押さえる」ためでなく「空気を断つ」ために載せる、と考えると量の見当がつきます。

選び方

イリノイ大学の指針は、重石にセラミックや強化ガラスを挙げます。代用なら水を満たして密閉した瓶や、塩水を入れた食品用の袋です。岩は重石にしない—— バージニア工科大学の指針は、重金属や石灰岩を含むおそれがあり、塩と酸で劣化して食品に混じりうるためだと説明します。Clean Food Living(動画)は、以前は洗って煮た石を勧めていたが、砂岩や石灰岩は塩水で崩れるなどの理由でやめたと話しています。

使い方のコツ

重さも、水が上がったあとの扱いも料理で違います。農林水産省「うちの郷土料理」の梅干し(和歌山県)は、梅1kgに重石1kg(梅と同じ重さ)を載せ、梅酢が上がる2〜3日ほどで外します。野沢菜漬(長野県)は野菜40kgに内ぶたと30〜40kgの重石を載せ、水が上がったら10〜20kgの軽い重石に替え、上がらなければ5〜10%の塩水を足して様子を見ます。

手入れ・注意

重石に使う瓶は、使う前に熱い洗剤水で洗い、とても熱い湯でよくすすぎます。ジョージア大学の指針の手順です。Clean Food Living(動画)は、繰り返し使えて洗いやすく、容器に合うガラスやセラミックの重石を勧めています。重石を自分で設計したFarmSteady(動画)は、強い色や風味の材料が多孔質のセラミックに移りうるので、洗えるガラスを選ぶと話しています。

出典

  1. 公的機関・英語 National Center for Home Food Preservation, University of Georgia Suitable Containers, Covers, and Weights for Fermenting Food
  2. 公的機関・英語 University of Illinois Extension Fermenting Equipment
  3. 公的機関・英語 Virginia Tech Virginia Cooperative Extension Vegetable Fermentation (FST-328)
  4. 公的機関 農林水産省 梅干し 和歌山県 | うちの郷土料理
  5. 公的機関 農林水産省 野沢菜漬 長野県 | うちの郷土料理
  6. 動画・英語 Clean Food Living DIY FERMENTATION WEIGHT IDEAS - what to do when you don't have an 'official' weight
  7. 動画・英語 FarmSteady Q+A: All About the Fermentation Weight

解説動画: 【梅干し作りQ&A】これを見れば失敗なんか怖くない!梅農家が皆様の疑問にお答えします!/梅ボーイズ

目安は比率ではない: 梅農家が視聴者から届いた梅仕事の質問に、次々と答えていく回です。重しの目安を聞かれると、まず落とし蓋をのせて、梅が梅酢から出なければ十分と答えます。一キロに対して五百グラム、多くても一キロで足りるという数字も出しますが、比率で細かく考えなくて大丈夫だ、とも付け加えます。

押しつけず、軽くのせる: 完熟の梅は梅酢の出がよいので、強く押しつける必要はないと言います。押し蓋を落として軽く圧がかかっていればよく、マッサージくらいの優しい感じ、という言い方をします。下のほうの梅が潰れないかという心配にも、何百キロ単位で漬けても潰れないので大丈夫だと答え、梅は思ったより強いと話しています。

のせると何が変わるか: 重しの有無で違いは出るのかという質問には、やはり結構変わる、のせたほうが梅酢の上がりがよいと答えます。そのうえで二週間ほどしたら一度外し、梅が沈んだままならそのまま上げてよいと話します。外したあとも梅酢の中に沈んでいるかを見る、という順序です。押さえるためではなく、梅酢を上げて梅を沈めるためにのせているのだと分かる答え方です。

梅酢に沈めておく: 梅酢から顔を出した部分はカビてくるので、密閉した瓶で漬けるときは一日一回、梅酢がかかるように動かすことを勧めます。容器は仕込む量の二倍ほどの容量をみておくとよく、ぎりぎりだと口のところに塩がついて錆びることもあるとのこと。梅干しは最低一か月は寝かせると結び、見た目が変わらなくても梅酢との間でやり取りは続いていると話します。