においが変わらなければ食べても大丈夫
安全と衛生
においが変わらなければ食べても大丈夫は誤りで、ボツリヌス菌は増殖しても見た目や匂いに変化が出ないことがあります。
よく言われること
「見た目も匂いもおかしくないなら、食べて平気」。
実際はどうか
多くの腐敗は匂いで気づけますが、ボツリヌス菌は増殖しても見た目・匂い・味に変化が出ないことがあります。米国CDCは、毒素は見ても嗅いでも舐めても分からないと述べています。自家製の油漬け、真空パック、密閉した瓶詰めのように、酸素がなく・酸性でもなく・塩分も低い環境が最も危険です。農林水産省は真空パックや缶詰の膨張・異臭を危険なサインに挙げていますが、出ないこともあります。1歳未満の乳児には、はちみつを絶対に与えないでください。
なぜ広まったか
日常で出会う腐敗のほとんどは匂いで気づけるため、経験則として広く通用してきました。加えて、発酵食品は身体に良いという印象が強く、多少のにおいの変化があっても発酵の範囲内と受け止められがちです。しかし毒素を作る菌の中には、匂いや味を変える酸を作らないまま増える種類もあり、例外の存在は日々の経験からは学べません。
どう言えば正しいか
「匂いは腐敗のサインとして役に立つが、匂いが無いことは安全の証明にならない」と言うべきです。密閉・低塩・非酸性の自家製食品は、疑わしければ食べずに廃棄してください。
出典
- 公的機関・英語 Centers for Disease Control and Prevention Botulism Prevention
- 公的機関 農林水産省 ボツリヌス菌(細菌)[Clostridium botulinum]
解説動画: 【“ボツリヌス食中毒”】50代女性が全身マヒの症状で入院中 “密封”の総菜を約2か月常温保管/日テレNEWS
密封の惣菜を常温で: スーパーなどに並ぶ惣菜をめぐって、新潟市で50代の女性が救急搬送された食中毒を伝えるニュースです。女性は密封容器で包装された惣菜を買い、要冷蔵のものを自宅で常温のまま保管。2か月ほど経った先月20日にそれを食べました。意識はあるものの全身に麻痺の症状が出て、人工呼吸器をつけて入院中だと報じます。
土や水の中にいる菌: 原因はボツリヌス菌(最も注意すべき相手)でした。土や水中に広く存在し、野菜や果物などの食材に付着していることがあると説明します。毒素を口にすると8時間から36時間の間に嘔吐や下痢、物が飲み込みづらいといった症状が出る。過去5年で3件と件数そのものは多くありませんが、最も注目されている食中毒の一つだと専門家は述べます。
酸素の無い所で増える: 専門家は密封容器に入った食材こそ注意が要ると話します。通常の大気の条件では増えられず、酸素の無い状態で増殖できる菌だから(→酸素(好気と嫌気))。そのうえ常温に置くのは危ないという説明です。温度管理の条件が書かれているものは表示のとおりに保管することが大切だと繰り返します。なお賞味期限内だったかどうかは分かっていないとのことです。
サインと、その手前: 危険を知らせるサインとして、開封したときに強い異臭がする例が多い、容器がふくらむケースも多いと挙げます。実際この惣菜からは、ブルーチーズのような匂いや味がしたということです。少しでも異変を感じたら口にしない——匂いに気づくかどうかの手前、要冷蔵を常温に置かないところが分かれ目でした。