自家製だから無添加で安全
安全と衛生
自家製だから無添加で安全は誤りで、無添加というのは保存料に頼らないぶん温度や塩分や衛生の管理を自分で担うということです。
よく言われること
「市販品は保存料が入っているが、自分で作れば無添加だから安心」。
実際はどうか
保存料や殺菌工程は、菌を増やさないために置かれている仕組みです。それが無いなら、温度・塩分・酸・衛生の管理をすべて自分で担うことになります。漬物の衛生規範は、製造施設に原料の殺菌や浅漬の10℃以下の保存を示します。東京都は、腸管出血性大腸菌が塩分4%でも増えると注意しています。米国FDAの研究者は、非乳製の発酵食品の食中毒39件の要因の例に、汚染した原料、発酵の不備、消費者の不適切な扱いを挙げました。無添加は安全性とは別の話です。
なぜ広まったか
「添加物=悪いもの」「手作り=安心」という枠組みが強く、工程としての安全管理が見えにくいためです。加えて、家庭で起きた失敗は表に出ません。
どう言えば正しいか
「自家製は添加物を使わない代わりに、安全の管理を自分でやるということ」と言えば正確です。
出典
- 論文・英語 Weed BD, Carstens CK, Eisenstein TA, Fay ML, Salazar JK(2026) Foodborne Illness Outbreaks Linked to Microbial Hazards Associated with Non-Dairy Fermented and Cultured Foods in the United States, 2011-2023
- 公的機関 東京都保健医療局(2023) 自家製の漬物をつくるときに気を付けることはありますか?【食品安全FAQ】
- 公的機関 厚生労働省(1981) 漬物の衛生規範(昭和56年9月24日付け環食第214号)