減塩したほうが体にいいので、味噌も塩を減らす

安全と衛生

減塩したほうが体にいいので、味噌も塩を減らすは危険で、仕込みの塩は味付けではなく狙った菌だけを残す守りの条件です。

よく言われること

「塩分は控えたほうがいいから、味噌や糠床も塩を減らして仕込む」。

実際はどうか

仕込みの塩は、味付けだけでなく、他の菌を止めて狙った菌だけを残す条件です。米国のNCHFPは、ザワークラウトや発酵漬物の塩を減らさないよう明記しています。塩5%の低塩味噌にエタノールを0〜25%足して8週おいた実験(Chiouら、1999年)では、足さない味噌で酵母が増え、5%以上足した味噌では見られませんでした。塩分を控えたいなら、仕込みの塩は守り、食べる量や使い方で調整するほうが安全です。

なぜ広まったか

減塩が健康情報として広く浸透した一方で、味噌の塩が調味だけでなく保蔵も担うことは見えにくくなっています。信州味噌研究所の本藤智(1995年)は、塩は味噌の前身の頃から必須の原料で、効用は当初主に調味と保蔵だったが、近年は塩が品質に及ぼす影響の研究も進んだと述べています。調味料としての塩と、仕込みで菌を選ぶ塩が、同じものに見えています。

どう言えば正しいか

「仕込みの塩分は安全を支える条件なので減らさない。摂取量は食べ方で調整する」と分けて言うのが正しい形です。

出典

  1. 公的機関・英語 National Center for Home Food Preservation, University of Georgia General Information on Fermenting
  2. 論文・英語 Chiou RY, Ferng S, Beuchat LR(1999) Fermentation of low-salt miso as affected by supplementation with ethanol
  3. 論文 本藤智(信州味噌研究所)、日本醸造協会誌(1995) 味噌の食塩と品質特性