白カビチーズ(カマンベール型)

乳製品

白カビチーズ(カマンベール型)は、表面に白カビを生やし、外側から内側へ熟成が進むチーズです。

どんな発酵?

表面に白カビ(Penicillium camemberti)を生やして、外側から内側へ熟成させるチーズです。あの白い皮そのものが菌の集まり。熟成が進むほど中心がとろけ、香りが強くなります。いまの真っ白な菌は、野生に近い灰緑色の菌(P. biforme)からさらに人が選び続けて生まれた「家畜化された」菌だと、フランス国立科学研究センター(CNRS)などのチームが遺伝子解析で報告しています。

材料

牛乳、乳酸菌スターター、レンネット、白カビの胞子、塩。家庭で一から作るのは温度と湿度の管理が難しく、購入した熟成途中のものを仕上げる形が現実的です。カマンベールとブリーの白カビは同じペニシリウム・カメンベルティなので、ブリーを種に使うこともできる——自宅でカマンベール作りに挑戦するオトコ中村(YouTube)が紹介している方法です。ただし市販の白カビチーズは熟成を止めるために加熱処理されていて白カビが死んでいることが多く、切り口をしばらく置いて白カビが生え直すかで生きた菌か確かめる必要があるとも説明しています。

仕込み方

乳酸菌で酸を出し、レンネットで固め、水分を切って型に入れ、塩をして白カビを付けます。10〜15℃・湿度90%前後で数週間。ニュージーランドの職人チーズ工房を取材したBusiness Insider(Insider Food)の動画によると、型から出したあとはカビが表面全体に均等に回るよう週に2回ひっくり返し、塩水に浸ける工程は風味づけと保存性の両方を兼ねるとのことです。青カビ系のチーズと同じ場所で熟成させるとカビ同士が混ざるおそれがあるため、別々に管理するのが安全です。食べるときは冷蔵庫から出して30分ほど置くと、香りと食感が立ちます。

見極めと失敗

白い皮は食べられます。皮の苦みや食感が気になる場合は、中身だけすくって食べても問題ないと前出のBusiness Insiderの動画は紹介しています。元の白カビと違う色(青・緑・黒・ピンク)が出ていたら、それは別のカビなので食べないでください。強いアンモニア臭は熟成が行きすぎたサイン—— 食べられなくはありませんが、香りが支配的になります。切ったあとは切り口から乾くので、早めに食べきる。

出典

  1. 論文・英語 Ropars J, Giraud T ほか(CNRS)(2020) Domestication of the Emblematic White Cheese-Making Fungus Penicillium camemberti and Its Diversification into Two Varieties
  2. 動画・英語 Business Insider and Insider Food Why the Mold Behind Brie Cheese Is Disappearing
  3. 動画 オトコ中村 カマンベールチーズの作り方 自宅で材料3つでできる方法

解説動画: チーズのプロが教える!カマンベールなるほど解説/美味しいチーズの世界

白い皮は食べられる: カマンベールはフランス北西部のノルマンディー地方で生まれた丸いチーズで、直径は手のひらに乗るくらい、表面は真っ白に覆われていると紹介します。この皮を作る白カビ(チーズの)は熟成させるための大切な存在で、食べても問題ないと述べます。中身は若いうちこそ少し固く、熟成が進むととろけてクリーミーになります。

外から中心へ進む: 作り方は、ミルクにレンネットという酵素を加えて固め、ヨーグルトのような柔らかい塊にするところから始まります。これを細かく切って型に入れ、水分を抜き、塩を振って熟成室へ。ここで表面に白カビをつけてゆっくり熟成させると説明します。熟成は外側から中心へ進むと説明し、三、四週間ほどで食べ頃を迎えるとしています。

本場と日本の違い: 故郷のノルマンディー地方は草原が広がり、牛がのびのび育つ環境が整っていると紹介します。カマンベール・ド・ノルマンディーという名前は条件を満たした本場のものだけに付くもので、味や香りの深さが違うとのこと。日本のものは殺菌したミルクで作られることが多く、フランスでは生の乳を使ったものも多いと述べます。

食べる三十分前に: より美味しく食べるなら、冷蔵庫から出して三十分ほど室温に戻すのがコツだとします。冷たいままだと香りが閉じ込められてしまうためで、戻すとクリーミーさが増します。切るときは放射状にすると、しっかりした外側と優しい内側を両方楽しめる。パンにのせ、はちみつやナッツを合わせると風味が広がるとも述べます。

置きすぎのサイン: 保存は冷蔵で、開けたあとは乾かないようラップで包み、密閉できる容器へ入れます。長く置きすぎるとアンモニアのような強い匂いが出てくるので、買ってから一週間から十日ほどで食べきるのがよいと結びます。冷凍もできますが、解凍すると水分と脂肪が分かれて風味が落ちるため、加熱する料理に回すよう勧めています。