フレッシュチーズ(カッテージ・リコッタ)

乳製品

フレッシュチーズ(カッテージ・リコッタ)は、牛乳を酸か酵素で固めて水分を切っただけの、熟成させないチーズです。

どんな発酵?

牛乳を酸か酵素で固めて、水分を切っただけのチーズです。熟成させないので、カビも独特の香りもありません。厳密には発酵をほとんど伴わないものもあり、レモン汁や酢で固める作り方は化学的な凝固だけです。リコッタは「再加熱」を意味するイタリア語で、チーズを搾ったあとのホエイ(乳清)を再び加熱し、残った乳清たんぱく質を固めたものです。

材料

牛乳、レモン汁または酢(または乳酸菌の種とレンネット)。成分無調整の牛乳を使う—— 低温殺菌のほうがよく固まるとされます。白い蒸留酢は癖が少なく、レモン汁やりんご酢は酸の香りが残りやすいと、米国の乳製品チャンネルMilkslingerは複数の酸を比べた動画で話しています。似た仕込み方のインドのチーズ「パニール」では、酸を濃くするほど食感の評価が下がったと報告されています(Khanら, 2014)。

仕込み方

牛乳を60〜70℃に温め、火を止めてから酸を加えて静かに混ぜます。分離したら10分ほど置いて、布で濾す。落ちた液がホエイで、これも使えます(→ホエイ(透明な水)が分離した)。温度が低いほど柔らかく、高いほど硬めに仕上がると、米国のMilkslingerは約49℃と約82℃で比べています。リコッタは「再加熱」の意で、残ったホエイに牛乳とレモン汁を足し、沸騰させて2分煮ると固まりが浮きます(なかむら食堂の動画による)。

見極めと失敗

熟成させないぶん日持ちしません—— 冷蔵で2〜3日以内に食べきってください。固まらないときは温度が低いか、加える酸が足りない。超高温殺菌の牛乳は固まりにくいことがあります。ぬめりや異臭が出たら廃棄。似た仕込み方のインドのチーズ「パニール」は、常温で約1日、冷蔵(7℃)なら1週間ほど保てると総説はまとめています(Kumarら, 2014)。塩を加えない分、同じ日数は当てにせず早めに食べきってください。

出典

  1. 動画・英語 Milkslinger Making Cottage Cheese At Home (But BETTER)
  2. 動画 【なかむら食堂】元料理教室スタッフのオススメChannel 【材料は基本2つ】誰でも簡単に!素朴で美味、手作りチーズ
  3. 論文・英語 Khan SU, Pal MA, Wani SA, Salahuddin M(2014) Effect of different coagulants at varying strengths on the quality of paneer made from reconstituted milk
  4. 論文・英語 Kumar S, Rai DC, Niranjan K, Bhat ZF(2014) Paneer—An Indian soft cheese variant: a review

解説動画: 材料2つ、安くて10分作れる!牛乳で作るヘルシーなチーズ【低糖質 / 低脂質 /カッテージチーズ】/ばくばクック

牛乳と酸だけで作る: 去年いちばん食べたものだと言うほど作り慣れた人で、作り方は牛乳をしっかり温めて、レモン汁か酢を入れるだけと言い切ります。鍋を使わず電子レンジで温めても作れる。牛乳は加工乳や乳製品と書かれていないものを選び、生乳だけで作られた低脂肪乳なら作れると説明します。実際に低脂肪乳で作ったものも、写真で見せています。

固まらないときは: うまくまとまらない、という相談が今も届くそうです。原因は温度が足りないか、酸が少ないかのどちらか。75℃くらいまで温度を上げ直し、レモン汁を大さじ半分ほど足すと、復活することがあります。分離しきってしまったときは、少し置いて、固まった部分だけをザルで取るという手もあると言います。

レモンで作るか酢か: 加える酸によって仕上がりが変わります。レモンだと風味と酸味がそのまま残り、酢だと香りも酸味も残らない代わりに、牛乳の匂いのほうが少し残る。酢で作るなら、後から酸味を足してもいいと言います。固まりやすさについては酢のほうが強く固まるという感想も添え、酢で作ったものに塩を足したパターンも食べ比べていました。

市販のものとの差: 手作りは市販品と同じにはならない、とはっきり言います。市販は香りも酸味もチーズのもので、手作りはヨーグルトに近い酸味。どちらもおいしいけれど別物で、市販の味を求めて作ると違うと感じるそうです。市販は脂肪の少ない牛乳で作られているらしく、低脂肪乳だとできる量が減るという話も出ます。

冷やすと質感が変わる: 最後に、冷やす工程も重要だと付け加えます。冷やすとねっとりしてきて、よりチーズらしい質感になる——できたてを食べたときとは別物で、冷やしてから食べ直して言い直すほどでした。分けた液体はホエイで、こちらも余るほど出ます(→ホエイ(透明な水)が分離した)。パンに塗ってはちみつをかける食べ方が、いちばんのお気に入りだそうです。