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水の量と重ね方、乾きを待つ描き方。

水彩は、水で薄めた絵の具の層を通して紙の白が透け、その白が色を明るく見せる絵の具になる。白い所は白い絵の具で描かず、紙を塗り残して出す(テート美術館)。だから描き始める前に、ハイライトにする場所を鉛筆で薄く囲んでおく。塗り残しは、筆を縁で正確に止めるか、水をはじく液を先に塗って乾いたあとにはがして作る。紙は、にじみ止めの加工がされた水彩紙を選ぶ。加工は、濡らしたときに紙が波打つのを防ぐ(ブルックリン美術館の用語集)。道具は、水をたっぷり含む太い絵筆と、絵の具を多めに溶いておける広いパレットから始める(Watercolor by Shibasaki)。

水彩
水彩絵の具
水彩写真: 100wass / CC BY-SA 4.0
ハイライト
ハイライト写真: Davi.trip / CC BY-SA 4.0
水彩紙写真: Les.aqua / CC0
絵筆写真: Vinegartom at English Wikipedia / Public domain
パレット写真: Mlaoxve / Public domain

塗りの基本は、ひと続きの面を同じ調子で塗ることになる。塗る前に、面を塗りきる量の絵の具をパレットで溶いておく(Liron Yanconsky)。紙を少し傾けて置き、筆でこすらず、絵の具を紙に置いてから上から下へ広げる(Watercolor by Shibasaki)。下の縁に絵の具の玉がたまっていれば、水の量が足りている(Café Watercolor)。面を塗り終えたら、乾くまでその面に戻らない。

水の量で、縁の出方が変わる。先に紙を水で濡らしてから色を置くと、色は硬い縁を作らずに広がり、霧や空気のような柔らかい面になる(ブルックリン美術館の用語集)。乾いた紙に置けば、縁がくっきり残る。遠くの山や霧、形の移り変わりは濡れた紙に、読ませたい形は乾いた紙に置き、柔らかい縁と硬い縁を1枚の中で混ぜる。

濡れた紙は、水が流れる段、しっとり湿った段、乾きかけの段、乾いた段の順に乾いていく。色を足すのに向くのは湿った段で、乾きかけの紙に水の多い絵の具を置くと、水が先に置いた絵の具を押しのけ、縁がカリフラワーのように広がる。筆の絵の具は、いつも紙の上より水を少なくする。乾いたかどうかは、表面の艶が消え、触って乾いていることで確かめる(Café Watercolor)。

重ねる順は、明るい色から暗い色へ進む。1層目は細部を描かず、大きな形ごとに薄い色を広げて、画面全体の色と光を決める。乾いてから置く2層目で、屋根の下の影や建物の後ろの木のように、明度の差で形と奥行きをつける。明るく残す所には手を付けない。3層目は、窓や枝のような暗い印を、目を集めたい所にだけ置く(Nitin Singh)。乾いた層の上に色を重ねると下の色が透けて見え、同じ色でも1段暗くなる。この透明な重ねがグレーズの考え方で、仕上げたい色から遠い明るい色を下に、濃く強い色を最後に置く(uniatelier)。

明度
明度写真: ColorValue.jpg: Mahlum derivative work: McSush (talk) / CC BY-SA 3.0
グレーズ
グレーズ写真: Titian / Public domain

やりがちな失敗は3つある。1つ目は、乾きかけの面に戻って縁を直すこと。直すたびに絵の具が持ち上がり、むらとカリフラワーが残る(Liron Yanconsky)。形の縁は多少ずれても全体の見え方には響かないので、1回で塗りきる。2つ目は、水を足しすぎて薄まった絵の具を画面じゅうに置き、全体を濁らせること。3つ目は、全部の場所に細部を足すこと。画面がにぎやかになるだけで、形は伝わりやすくならない(Nitin Singh)。同じ所を何度も濡らし直すほど、塗りたてのみずみずしさも消える(Café Watercolor)。塗り残しを忘れた所は、乾く前ならスポンジや布で絵の具を吸い取り、明るさを戻せる(ゲティ)。乾いたあとにナイフで削る手もあるが、紙の表面を傷める(ブルックリン美術館の用語集)。

3層で止めた1枚は、下の層が透けた深い色の中で、塗り残した紙の白がいちばん明るく光る。

出典

  1. 公的機関・英語 Tate(テート美術館) Art Terms: Watercolour
  2. 公的機関・英語 Antoinette Owen(ブルックリン美術館 紙の保存修復家) Glossary of Watercolor Materials and Techniques
  3. 公的機関・英語 J. Paul Getty Trust(ゲティ)(2011) Stories in Art: Common Watercolor Techniques(Student Handout)
  4. 動画・英語 Nitin Singh(水彩画家。Patreon の会員募集あり)(2026) What Beginners Miss About the 3-Layer Watercolor Technique
  5. 動画・英語 Eric Yi Lin(Café Watercolor) Wet on wet watercolor principles
  6. 動画・英語 Liron Yanconsky(水彩画家。講座の販売あり) How to NOT OVERWORK Your Watercolors
  7. 動画 Watercolor by Shibasaki(水彩画家) 【永久保存版】水彩画すごく役立つ3つのテクニック / 劇的に上手になりたい人必見!
  8. 動画 uniatelier(水彩画教室) 重ね塗りで迷ったら【混色・重色】水彩画教室の動画レッスン 字幕付