焼き芋

焚き火・炭火

焼き芋は、熾火に埋めて待つ時間もごちそうになる料理。

どんな料理?

さつまいもを濡らした新聞紙とアルミホイルで包み、焚き火の熾火に埋めて焼きます。名古屋学芸大学管理栄養学部の岡田希和子は、甘み成分マルトースを作る酵素β-アミラーゼは60〜65℃でよく働き、75℃を超えると止まると説明しています。じっくり時間をかけて温度を上げるほど、この酵素が長く働いて甘みが増します。火が落ち着いてきた焚き火の終わりがけにちょうど良い一品です。

材料

さつまいも2本、新聞紙、アルミホイル。太さ5cm前後の細めのもののほうが芯まで火が通りやすく確実です。文部科学省の食品成分データベースでは、生のさつまいも(皮なし)は100gあたりでん粉24.5g・麦芽糖0.1gですが、焼いたものはでん粉13.1g・麦芽糖15.8gに変わり、加熱で甘みの成分が大きく増えることが数値で分かります。

作り方

洗ったさつまいもを濡らした新聞紙で包み、その上からアルミホイルを隙間なく巻きます。炎の中に放り込まず、炎が落ち着いた熾火と灰の中に埋めてください。ストーブ専門店ペレットマン所沢のスタッフは、英語の解説動画で、じっくり長く燃える広葉樹(ウバメガシなど)が焼き芋の熾火に向き、針葉樹は火を起こす最初の焚きつけに使うと話しています。30〜40分、途中で一度返し、竹串がすっと通れば完成です。

コツ・注意

焦げるのはたいてい火が強すぎるときです。熾火の真上に直接置かず、灰をかぶせて間接的に温めると芯まで甘く仕上がります。台湾の研究チームが皮つき・皮なしのさつまいもを焙煎して比べた実験では、1〜2時間の焙煎で官能評価が最も高く、2.5〜3時間焼き続けると焦げと酸味が出て評価が下がりました。取り出すときは必ず革手袋か火ばさみで。

出典

  1. 資料 岡田希和子(名古屋学芸大学 管理栄養学部) さつまいもの甘さの秘訣
  2. 公的機関 文部科学省 食品成分データベース(2023) いも及びでん粉類/<いも類>/(さつまいも類)/さつまいも/塊根/皮なし/生(日本食品標準成分表(八訂)増補2023年)
  3. 公的機関 文部科学省 食品成分データベース(2023) いも及びでん粉類/<いも類>/(さつまいも類)/さつまいも/塊根/皮なし/焼き(日本食品標準成分表(八訂)増補2023年)
  4. 論文・英語 Tsai YJ, Lin LY, Yang KM, Chiang YC, Chen MH, Chiang PY(Foods)(2021) Effects of Roasting Sweet Potato (Ipomoea batatas L. Lam.): Quality, Volatile Compound Composition, and Sensory Evaluation
  5. 動画・英語 Ask Japanese Anime Food in REAL LIFE : Setting Potatoes On FIRE in Japan!

解説動画: 焚き火の焼き芋を失敗させない手順(濡れ新聞紙とアルミ二重)/リサッチちゃんねる

概要: 焚き火の焼き芋はアルミホイルで巻いて入れるだけの簡単な料理だが、実際にやると火加減と加熱時間で迷ったという体験から始まる回。初めての焚き火で、どこに入れるべきか何分焼くのかが分からずオロオロしたという。そのときは丸焦げだけは避けたいと考えて火が弱そうな場所に入れ、偶然うまく焼けたが、再現できないと感じて調べ直した内容を後半で紹介している。

仕込み:濡れ新聞紙とアルミホイル二重: 用意するのは洗ったさつまいも、新聞紙、アルミホイルの3つだけ。まず水で濡らした新聞紙で芋を包み、その上からアルミホイルで全体を包む。さらに、くしゃくしゃとシワを付けたアルミホイルでもう一枚重ね、アルミホイルは二重にする。仕込みはここまでで完了する。

焚き火のどこに入れるか: 入れる場所は、炎が上がっている場所ではなく、熱は持っているが炎の立っていない薪や灰に近い部分。そこに薪の燃え残りや灰を集めて置き場所を作り、仕込んだ芋を投入する。できれば灰をかぶせてやると全体が温まる。炎に直接当てないことが、丸焦げを避ける前提になっている。

加熱時間と火の通りの確認: 片面を20〜30分焼き、裏返してもう20〜30分、合計40分から1時間が目安。火が通ったかどうかは、アルミホイルの上からナイフやフォーク、箸を刺し、どのくらいすっと通るかで判断してから取り出す。中身を開けずに確認できるので、焼きすぎも生焼けも避けやすい。

この方法が失敗しにくい理由: 理由を3つ挙げている。濡らした新聞紙が芋に水分を与えつつ焦げづらくすること、アルミホイルを二重にすることで表面の焦げをさらに防ぐこと、炎を上げていない薪や灰で加熱することで火加減のムラがなくなること。 塩をまぶすなど美味しくする工夫は他にもあり、水分の多いねっとりした焼き芋が好きかどうかも人によるとしたうえで、今回は手間が少なく初心者でも覚えやすい形にしたと説明している。設営で忙しいキャンプではシンプルな方法で覚えておくとよい、という締め。