ローストビーフ

ダッチオーブン

ローストビーフは、余熱で仕上げるごちそうの肉料理。

どんな料理?

牛の塊肉の全面を強火で焼き固め、ダッチオーブンでじっくり火を通します。食品安全委員会によると、塊肉の菌は通常は表面にいて内側にはいませんが、冷蔵が長く熟成が進むと内側に入ります。店で売るローストビーフは、厳密に管理した原料肉を使う『特定加熱食肉製品』の規格で作られます。中心をピンク色に保つ火入れが身上で、切り分けたときの断面が食卓を沸かせます。

材料

3〜4人分で牛ももの塊肉500〜600g、塩は肉の重さの1%、粗びきこしょう、にんにく1片、オリーブオイル大さじ1。たれはしょうゆ・みりん・酒を各大さじ3、ひと煮立ちさせて冷まします。

作り方

肉は焼く1時間前に出して常温に戻します。強火にした鍋で全面に焼き色をつけ、ふたをして炭を減らし弱火に。中心に温度計を刺し、63℃になってから30分保ちます(70℃なら3分、75℃なら1分)。アルミホイルで包んで20〜30分休ませます。ジェイミー・オリバーは、加熱で中心に集まった水分が戻るからと話しています。長い包丁を大きく引いて薄く切ります。

コツ・注意

食品安全委員会は、家庭では中心温度63℃で30分以上の加熱を守り、余熱を利用するレシピはやめるよう呼びかけています。2022年には京都府で、ローストビーフなどの加熱不足が原因と考えられるO157の食中毒があり、22人が発症したほか90代の1人が亡くなりました。牛のローストを0・8・13分休ませて比べた研究(Prietoら、2025)では、水分や官能評価に差がありませんでした。残りは翌日のサンドイッチにすると無駄がありません。

出典

  1. 公的機関 食品安全委員会(2021) 肉を低温で安全においしく調理するコツをお教えします!
  2. 公的機関 厚生労働省 医薬・生活衛生局食品監視安全課(2022) 腸管出血性大腸菌による食中毒防止の徹底について
  3. 論文・英語 Prieto N, Zawadski S, Schmidt B, Lopez-Campos O(Meat Science)(2025) Effect of resting time on beef roast moisture retention and palatability
  4. 動画・英語 Jamie Oliver How to Cook Perfect Roast Beef | Jamie Oliver

解説動画: 小さなダッチオーブンととろ火で作るローストビーフ/みるみるランドの山林開拓チャンネル

概要: ダイソーで売っている内径十一・五センチの小さなダッチオーブンと、アルコールストーブを組み込んだ折りたたみストーブだけでローストビーフを作っている。牛ももブロックの全面を焼き固め、アルミホイルに包んでとろ火の鍋に戻し、最後は火から下ろして蒸らすという流れ。ソロから二人ぶんに向くサイズだと話している。

にんにくをたっぷり擦り込む: 牛ももブロックは鍋に収まる大きさに切り、表面に浅く切り込みを入れてからクレイジーソルトとブラックペッパーを振る。そこにすりおろした生にんにくを全面に擦り込んでいく。にんにくは多めのほうがガツンとしたパンチのある味になるとしており、擦り込んだ時点でもう香りが立っていると話している。

全面を焼いてホイルに包む: アルコールストーブに着火したら、本燃焼が始まる前の熱ももったいないのでそのまま鍋を乗せ、オリーブオイルを引いて肉を入れる。転がしながら全面に焼き色をつけるのが目的で、焼き上がったらいったん取り出してアルミホイルで包む。焼き付けに使った鍋は、ここで一度お湯とたわしで洗ってから次の工程に移っている。

とろ火で三十分、下ろして十分: 再び火をつけ、開け閉めで火加減を調整し、わずかな隙間から炎が見える程度のとろ火にする。アルミホイルに包んだ肉を鍋に戻して蓋をし、そのまま三十分。時間が来たら火から下ろして消火し、さらに十分放置して蒸らすことで、肉汁を肉の中に落ち着かせてから開ける。

仕上がりと後片付け: 切った断面はきれいに火が通っており、にんにくを多めに擦り込んだぶん力強い味になっている。道の駅で買ったレモンと塩麹のドレッシングをかけると、爽やかな風味に変わって別の一皿になると紹介している。鍋はグレープシードオイルでシーズニング済みのため、こびりつきがなく、洗剤を使わずたわしで軽くこするだけで落ちる。