化粧屋根裏
堂内で見るもの
時代: 鎌倉
天井を張らず、垂木と桁をそのまま見せる仕上げです。構造の材の並びが意匠になるので、材の太さと間隔から時代と様式を読み取れます。
どんな建物・部材か
天井を張らず、垂木や桁を見せたまま仕上げた屋根の裏です。見せるための面なので材の削りと間隔がそろえられ、構造がそのまま意匠になる点が板を張る天井と違います。奈良県の東大寺南大門は正治元年(1199年)に復興された大仏様の門で、柱を貫く貫を何段も通し、天井を張らずに構造材をそのまま見せます。兵庫県の浄土寺浄土堂も同じ手法で、挿肘木の段と垂木の並びが内から追えます。
見分けの決め手
垂木の間隔と、その奥に見える板の位置を見ます。化粧屋根裏では繁垂木のように細い材が等間隔に並び、奥に野地板が見えます。材の見付が太く、間隔が広いほど古い手法という読み方が建築史の図集で示されますが、地域と用途によっても変わります。堂の内部と軒下は続きの面に見えても別の作りで、軒の出だけを化粧とし、奥に天井を張る建物もあります。境目は柱の位置に出ます。
どの様式に属するか
古代の堂から近世の民家まで幅広く使われ、大仏様では中心の手法になります。兵庫県の浄土寺浄土堂は建久3年(1192年)の建立で、太い虹梁と挿肘木を見せたまま組み上げます。和様の中世本堂でも、内陣に格天井を張り外陣を化粧屋根裏とする組み合わせが多く見られます。同じ堂の中で天井の作りが変わるので、部屋ごとに分けて見ます。
取り違えやすい相手
板を平らに張った鏡天井と、化粧屋根裏の上へ別に架ける野屋根が相手です。線が見えるかどうかと、屋根の勾配で分かれます。鏡天井は面で、垂木の線が出ません。野屋根は化粧の上へ隠して架ける構造の屋根で、外から見える勾配と、内から見える勾配が食い違う堂ではその間に野屋根があります。京都府の妙心寺法堂のように中央へ大きな絵を描く堂では、垂木ではなく一枚の面が見えます。
どこに立つと見えるか
門の下をくぐる位置で立ち止まり、真上を見上げます。門は堂と違って外から見上げられるので、材の並びを確かめる場所に向きます。奈良県の東大寺南大門では、柱を貫く貫と垂木の並びが下から一続きに見えます。堂では内陣と外陣の境より手前、外陣の入口の軒下からのほうが屋根裏を追えます。山口県の功山寺仏殿のように、外から扉ごしに内部を望める堂もあります。