短冊型の地割

町並みの構え

通りに面した間口が狭く、奥へ深く伸びる敷地の割り方です。町家の平面も通り土間も、この細長い区画に合わせて決まります。

どんな形か

通りに直角の細長い区画が、道に沿って並んだ割り方です。間口に対して奥行きが何倍もあり、表に店、中ほどに住まい、奥に蔵や庭が一列に並びます。隣との境は平行に走り、通り土間が表から裏まで一本通ります。裏側は路地や水路に接することが多く、表と裏に二つの出入口を持ちます。俗称として「うなぎの寝床」と言われますが、選定や指定の記述にこの言い方は出てきません。

なぜその形になったか

通りに面した長さを、できるだけ多くの家で分け合うためです。商いは道に開いた面でするので、間口を狭くすれば同じ道の長さに多くの店が並べます。奥行きは道に面しないぶん使い道が広く、住まいと作業場と蔵を縦に重ねられます。間口の広さで税や負担が決まったという説明も語られますが、土地と時期で仕組みが違い、全国に通じる形では定まっていません。市町村の記録に当たって確かめる必要があります。

見分けの決め手

通りに沿って歩き、間口の幅がそろっているかを見ます。この割り方では何軒も近い幅で並び、境の柱が繰り返し現れます。裏へ回れる路地があれば奥行きが読め、表からは一軒に見えて奥に別棟が続くことも分かります。全国伝統的建造物群保存地区協議会は秋田県横手市増田を「通りに沿って短冊型に割られた敷地」と説明しており、区画の形が町の説明そのものになっています。

取り違えやすい相手

武家町の構えの屋敷割が相手です。間口が広く、通りに面するのが塀と門なら武家町で、店の開口は並びません。武家屋敷は一軒ごとに敷地を広く取り、建物は道から離れて敷地の奥に建ちます。山口県萩市堀内地区と鹿児島県の南九州市知覧がその例です。武家町では塀の切れ目が門の位置になるため、間口の数え方そのものが変わります。同じ町の中で商いの通りと武家の通りが隣り合うこともあり、通りを一本ずつ見直します。

どのあたりで見られるか

商家町や在郷町の重要伝統的建造物群保存地区に、まとまって残ります。選定基準の(二)は「伝統的建造物群及び地割りがよく旧態を保持しているもの」で、建物だけでなく区画そのものが選定の対象になります。秋田県横手市増田、岐阜県高山市三町、奈良県橿原市今井町では、通りに直角の細長い敷地が今も読み取れます。交差点に立って両側の間口を数えると割り方が見えます。