宿場町の構え

町並みの構え

街道に沿って建ち並び、道の形が町の骨格になった町です。本陣や脇本陣、旅籠が道の両側に並び、町の端で道が鍵の手に折れます。

どんな形か

一本の街道の両側に、町家が軒を接して並ぶ町です。建物は道に沿って平入で建ち、出入口も窓も道の側を向きます。道は町の端で直角に折れ、枡形虎口と同じ形で見通しを切ります。並ぶ建物には大名や公家が泊まる本陣、その控えの脇本陣、旅人が泊まる旅籠があり、荷を継ぐ問屋場も置かれました。長野県の塩尻市奈良井は、この並びが一続きに残る町です。

なぜその形になったか

人と荷を次の宿へ継ぐ仕事のために作られた町だからです。近世の街道では宿ごとに人馬を用意し、そこで積み替えて次へ送りました。泊まる場所と馬と人足が同じ場所に要るので、道の両側に宿と問屋場が集まります。道が折れるのは町の出入口で見通しを切り、通行を管理するためと説明されます。町の生業が道に依るぶん、建物は道の側へ正面をそろえます。

見分けの決め手

町の端で道が直角に折れているかをまず見ます。宿場では出入口に折れが作られ、町の中心から端までが一度に見通せません。次に建物の並びを見て、出格子や大戸が道沿いに続き、間口の広い一軒が混じれば本陣や脇本陣の跡です。用水が道の脇を流れる町も多く、道・水路・軒の三本の線が平行に走ります。福島県の下郷町大内宿では、道の両側に茅葺の主屋が並びます。

取り違えやすい相手

重要伝統的建造物群保存地区の種別でいう商家町と在郷町が相手です。街道の通行のための町か、その土地の産物のための町かで分かれます。商家町は市や港に付いて発達し、店と蔵が主役になります。在郷町は農村の中の商いの場で、宿を継ぐ役目を持ちません。同じ町が時期によって性格を変えることもあるため、選定の種別と町の記録を合わせて読みます。三重県の亀山市関宿は宿場町の種別で選ばれています。

どのあたりで見られるか

街道筋の山あいと峠の前後に残ります。長野県の塩尻市奈良井は昭和53年、南木曽町妻籠宿は昭和51年に重要伝統的建造物群保存地区として選定され、種別はどちらも宿場町です。三重県の亀山市関宿、福島県の下郷町大内宿も同じ種別で選ばれています。町の端の折れ目に立ち、道の中心線を目で追うと骨格がつかめます。現役の住まいと店なので、道から見ます。