軒先の巣を落とす

近づく・触る

中に卵やヒナがいる巣を外すと、法に触れます。鳥獣保護管理法第8条は鳥獣の捕獲等と鳥類の卵の採取等を原則として禁じており、許可のない撤去はこの条文の話になります。

どういう行為か

家の軒先やベランダ、換気口にできた巣を、自分で外して落とす行為です。棒で突く、水で流す、袋に入れて捨てるのはどれも同じ扱いになります。分かれ目は中に何が入っているかで、卵もヒナもいない作りかけの巣や、巣立ちのあとの空の巣と、抱卵中・育雛中の巣とでは話が変わります。糞の落下や虫が理由であっても、外す前に中を確かめるという順番までは変わりません。

法や指針での位置づけ

鳥獣保護管理法第8条は「鳥獣及び鳥類の卵は、捕獲等又は採取等(採取又は損傷をいう。)をしてはならない」と定めています。卵やヒナの入った巣を外す行為はここに触れ、同法第83条第1項に一年以下の拘禁刑または百万円以下の罰金が置かれています。外す必要があるなら第9条の捕獲等の許可を受ける形になり、申請先は原則として都道府県知事です。空の巣を外すだけなら、この許可の話にはなりません。

なぜ問題になるか

巣は一年中の住みかではなく、その年の子育てのための構造物です。抱卵中に落とせば卵は割れ、育雛中なら飛べないヒナが地面に落ちます。親は巣を失ってもすぐには離れず、数日にわたって同じ場所へ戻り続けることがあります。ツバメのように人家の軒先を選ぶ種は、人の建物がそのまま営巣場所になっているため、外された側に代わりの場所がないまま繁殖期が終わります。

代わりにどうするか

先に中を確かめるのが順序です。親鳥の出入りが続く、巣の縁から糞が落ちる、近づくと親が鳴いて騒ぐなら、卵かヒナが入っていると見て手を出さずに待ちます。糞が困るなら巣の下に板や新聞紙を張って受ける方法があり、これなら巣に触れずに済みます。空になったのを確かめてから外し、翌年の営巣を避けたいなら、巣立ち後に土台ごと落として跡を掃除する形にします。

相談する窓口

許可がいるかどうかを含めて、都道府県の鳥獣行政担当が一次の窓口です。捕獲等の許可(法第9条)の申請先は原則として都道府県知事ですが、事務を市町村へ下ろしている自治体も多いため、住んでいる市町村の環境担当に先に聞くほうが早く進みます。集合住宅やテナントなら管理会社と所有者の合意も要ります。外してから相談するという順序にはしません。