ドローンで近寄る

近づく・触る

上空から寄る機体は、鳥には捕食者と同じです。国土交通省の飛行ルールに加え、公園や河川敷の管理者、国立公園の規制という三つの層がここに重なります。

どういう行為か

無人航空機を飛ばして、上空から鳥や群れへ寄る行為です。飛んでいる個体を追う、水面の群れの真上でとどまる、営巣している崖や林の上を通すのがここに入ります。空撮の主題が風景であっても、飛行経路に群れがいれば結果は同じです。地上からの観察と違い、自分は離れた場所にいて、機体だけが至近に入るため、鳥がどれだけ反応しているかが操縦者から見えにくくなります。

法や指針での位置づけ

層が三つあります。第一に国土交通省の飛行ルールで、機体の登録、空港等周辺・緊急用務空域・地表から150m以上・人口集中地区上空という飛行禁止空域、夜間や目視外といった飛行の方法に許可承認が要ります。第二に都市公園や河川敷の管理者が定める利用ルールで、飛行を禁じている場所が多くあります。第三に自然公園法で、国立公園の特別保護地区は動物の捕獲や殺傷を環境大臣の許可制にしています。

なぜ問題になるか

鳥から見れば、上から近づく影は捕食者と同じ形で入ってきます。地上からの接近なら藪や水面へ横に逃げれば済みますが、上空をふさがれると群れが一斉に飛び立ち、降りる先を決めないまま飛び続けることになります。営巣中なら親が巣を離れる時間が延び、卵とヒナが放置されるほうへ進みます。操縦者の位置からは、機体の下で何が起きているかが音も含めて届きません。

代わりにどうするか

鳥のいる空間に機体を入れないのが線です。飛ばすなら群れと営巣地から離れた場所を選び、飛行前に上空と水面を双眼鏡で確かめる手順を先に置きます。空撮に見えている画は、高い堤防や展望台といった地上の高い場所からでも近い構図になります。鳥そのものを写したいなら、機体ではなく望遠と待ち時間に寄せるほうが、結果として近い距離の一枚になります。

相談する窓口

飛ばせるかどうかは、空の側と地面の側を別々に確かめます。空の側は国土交通省の無人航空機に関する窓口と申請の仕組みで、機体登録と許可承認の手続きがそこにあります。地面の側は都市公園なら公園管理者、河川敷なら河川管理者で、現地の管理事務所に飛行の可否を聞きます。国立公園の中は地方環境事務所です。どれか一つが通っても、残りが通るとは限りません。