三角構図
構図
底辺を広く取って安定させる
どんな型か
主役の集まりが三角形に見えるように置く型。下が広く上が狭い形は倒れにくく見えるため、画面全体が落ち着く。人物なら座らせて衣の裾を広げ、風景なら山や木の形をそのまま使う。ルネサンスの聖母子像で繰り返し用いられ、モナ・リザも組んだ手を底辺、頭を頂点とする三角形として読まれることが多い。
何が起きるか
底辺が長いほど安定し、頂点が高いほど堂々として見える。逆に頂点を下にした逆三角形は不安定で、緊張や不吉さの表現に使われる。ドラクロワの民衆を導く自由の女神は、倒れた人物を底辺、掲げた旗を頂点とする三角形として読まれ、混乱した場面でも画面が崩れない。
使い方
絵では、複数の人やものをまず三角の中に収まるよう置いてから細部を描くと破綻しにくい。写真はしゃがんで低い位置から撮ると手前が広がり、三角になりやすい。頂点を画面の中心から少しずらすと硬さが取れる。山を撮るなら三分割法の横線に稜線の裾を合わせるとまとまる。
やりがちなミス
きれいな二等辺三角形にそろえるほど記念写真に近づき、動きが消える。頂点の真上を空けすぎると三角形が浮いて見えるので、上の余白は詰め気味にする。もともと三角にならない被写体を無理に並べても不自然になるだけ。奥行きや勢いを出したいときは対角線構図のほうが向く。
解説動画: 名画と写真に共通する三角形の見つけ方と組み合わせ/TokyoCameraClub
名画のどこに三角形を見ているか: 名画で使われている技術を写真へ応用する回。ピエロ・デラ・フランチェスカの《キリストの復活》では、眠り込んだ人たちが底辺、キリストが頂点の三角形になっていると指摘している。デューラーの自画像も同じで、三角形は安定して見えるから自画像にも使われてきたと説明している。
写真でどう作るか: 生き物と三角形の相性は最高だと言い、人や動物は形が三角になりやすいのでポートレートや動物写真で意識するよう勧めている。三角形は一つの被写体だけで作らなくてもよく、背景の月など別のものと合わせて作ってもいい。三人の人物で一つの三角形を作った作例も挙げている。
見つけるコツ: 具体的な物をじっと見るとその形しか見えなくなって全体を見落とすので、引いた目でうっすらと画面全体を捉えるよう勧めている。三角形は一つあれば安定するが、複数重なると気持ちよさが増すとも言っていて、繰り返しやリズムが同時に効いている作例を紹介している。
日の丸構図との相性: 三角構図と日の丸構図の相性はとても良いと言っている。どちらも中央に据えて安定させる方向の構図なので合わせやすく、デューラーの自画像がその例だとしている。額縁構図が重なった作例も挙げ、いくつかの構図を混ぜ合わせることで伝えたいことや作品の美しさを強調できると説明している。