額縁構図

構図

手前の枠で主役を囲って見せる

どんな型か

窓枠、戸口、アーチ、垂れ下がる枝といった手前のものを枠に使い、その中に主役を収める型。フレームインフレームとも呼ぶ。枠が画面の端を締めるので、明るい主役が抜けて見える。ダヴィッドのホラティウス兄弟の誓いは、背後の3つのアーチが人物の群れをそれぞれ枠取っている。

何が起きるか

手前の枠、主役、奥の背景という三つの層ができるため、平面のはずの画面にはっきりした奥行きが出る。同時に、枠の外は見なくてよいと伝わるので視線が主役に集まる。中と外で明るさや色が違うほど効きが強く、暗い室内から明るい外を見る形はとくに分かりやすい。

使い方

絵では枠になるものを主役より暗く、細部を省いて描く。写真は絞りを絞って枠と主役の両方にピントを残すか、逆に開いて枠だけぼかし、輪郭として使う。どちらにするかは被写界深度の選び方で決まる。枠の入る量は半歩の前後移動で大きく変わるので、立ち位置で調整する。

やりがちなミス

枠が太すぎると主役が奥へ引っ込み、何を見せたいのか分からなくなる。四辺すべてを囲むと窮屈で、のぞき穴のように見えやすいので、二辺か三辺で止めるほうが自然。枠のほうが模様として面白いと、そちらが主役になってしまう。暗い枠に露出が引っぱられ、主役が白く飛ぶのもよくある。

解説動画: 名画に学ぶ額縁構図の見つけ方と自分で作る方法/TokyoCameraClub

額縁構図をどう説明しているか: 主体となるものを額縁のようなもので囲い、何が主役かを分かりやすくする構図だと説明している。レンブラントの聖家族では、絵の中に額縁とカーテンまで描き込まれていると指摘し、当時のオランダでは日差しや運河から吹く風から絵を守るためにカーテンを掛けていたので、それを描いたのだという見方を示している。

額縁は手前だけではない: フィリッポ・リッピの聖母子では、背後の窓とその向こうの景色が額縁として働くとしていて、枠は手前になくてもよいと言っている。マネのバルコニーは後ろの窓と手前の柵の組み合わせで枠になっているとして、いろいろなものの集合体としても額縁は成立すると説明している。

探し方と作り方: 写真の作例では、枠は四角い形に限らず木や枝のような自然の形でもよいとしている。人工物でも自然でも、この中に何か来ないかという目で探すと見つかるもので、木を下からあおるなどカメラの角度を変えれば額縁は自分で作り出せる、どうしても無いときは作ってしまえばよいと勧めている。

ほかの構図との相性: 日の丸構図やシンメトリー構図との相性が抜群だと言っている。どちらも主体をはっきり見せて安定させる構図なので額縁と噛み合いやすく、日の丸や対称の練習をしているときに額縁を探すとよいと勧めている。想像力を働かせて見つけにいくものだ、という締め方をしている。